第18話 難民生活

転園を繰り返す日々であった。


初めて保育園に登った時、周囲には泣く子供ばかりであった。


それが自分の同輩だと気付かぬままに、泣き止んだ子供を再び泣き続けさせる事が自分に与えられた使命であるように感じたのだ。


らく視界の哺乳瓶を飲乾せと、本能の叫びが聞こえたのだ。


四人の友達が思い切り遊びたいと言ったのだ。


大人になった現在に至っても、泣き顔を見た事のない人間を信用できない「同輩」はある程度いるように感じるのだが、それを調べるよしもまたないのである。

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