第10話 減量が困難な理由(正)
或る朝、目が覚めると腹部に力が入らず起き上がれなかった。
小学校の頃、諸々の事情で一晩立ったまま眠らなければならない状況があり、翌朝目覚めて洗顔を済ませると膝から崩れ落ち、下半身に力が入らなくなった事がある。
その時は昼頃には立ち上がれるよう回復したので経過を観察したのだが、どうにも快復の兆しが見られないので電話で姉を呼び肩を借りて病院に向かった。
「虫垂炎、というか盲腸喪失してるから直ぐに開腹手術が必要ですね」
前年の健康診断で盲腸にバリウムを詰まらせ一ヶ月間ほど入院したのだが薬で散らせただけの処置だったのを失念していたのだ。
手術室に運ばれ、逆さ吊りにされ腹部を抓られる感覚について自己分析をしながら担当医と話をしている間にバリウムの摘出は終了した。
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