第11話 減量が困難な理由(真)

腹膜から膿を排出する為のチューブを着けられ、病室を宛がわれた。


化膿が酷く、布団の中から野良犬のような臭いがするのは何とも憂鬱である。


鎮痛剤と解熱剤、点滴の栄養輸液が処方され数週間の絶食になるのだが、殆ど減量する事はなかった。


1~2日で点滴漏れでし直す必要があり、消化しきれず薔薇鯥バラムツ状態になるので襁褓ムツを締める程に過剰な摂取量からは、当然の結果だと言える。


痛みも然程さほどないがボルタレンとモルヒネが処方され、時間の感覚がおかしくなった。


一番の問題は解熱剤である。


薬効が切れると強烈な悪寒が走るので、自発的に痙攣発熱する方法が身に着く位に連日数回に渡り平熱と高熱の往復を繰り返した。


家族の目撃談によると流石に死ぬんじゃないかと思う程の酷い痙攣に見えたらしい。


身体反射に任せるより自発的に痙攣したほうが大幅に負担が少ない、と断言しておく。

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