若草きらりはどうしてもコンビを組みたい
「アタシとコンビ組んでください。お願いします!」
「ヤダ。」
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「せっかく魔法少女なんだから、私と一緒に」
「ノー。」
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「ねっ、お願い!コンビ組みましょう!」
「イヤ。」
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「一緒にコンビを」
「眠いからムリ。」
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「キラキラ人気」
「ぐぅ…………ぐぅ………」
寝てる!?
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「あぁ………またダメだったぁ。」
あれから1週間、何度も頼みに行っては歯牙にも掛けない態度であしらわれ続けてる。
「若草ちゃん、もう諦めたら?」
何度も隣のクラスに行くから、いつの間にか最初によどみさんを紹介してくれた新田咲さんとはお弁当を一緒に食べる仲になっていた。
「いや、絶対諦めないよ!私にはよどみさん、クールでイケメン系魔法少女と組みたいの、それが人気者になる最短ルートの筈だから!」
「あはは、確かによどみさん顔カッコいいもんね。身長も女子としては高いし。そう言えば昨日も誰かから告白されてたよ。まあ断ったみたいだけど。」
「あー、ハードル高いよぉ!」
もうビビッと来て、頭の中にはコンビを結成した時の構想だってあるのに……
肝心のよどみさんがオッケーくれなきゃ取らぬ狸の皮算用だよ。
頭を悩ませていると、食堂横の購買部へふらふら元気の無い足取りでよどみさんが現れたけど、すぐにUターンして帰って行ってしまった。
「あれ……よどみさん、何で戻ったんだろ。」
「あー、若草ちゃん別のクラスだもんね。よどみさん極度のものぐさで面倒くさがりだから、待つのが嫌で帰ったんだよ。」
「えっ!?だって3人並んでるだけだよ!?」
全然混んでないじゃん。
いくら物臭で面倒くさがりだっていっても限度あるでしょ。
「まーそういう人だから、魔法少女活動なんてしないと思うよ。」
咲ちゃんの言葉は最もだと思う。
せっかく魔法少女なのに魔法少女活動しないなんて……よどみさん、勿体無いなぁ。
てゆーか、面倒くさがりならアタシのお願い行脚に面倒くさがってオッケーくれてもいいのに!
そんなことをぶーぶー言うと、咲ちゃんはくすりと笑う。
「あはは、若草ちゃんの言ってることも分かるけど、若草ちゃんが思ってる以上の性格だから。だって面倒くさがり過ぎて家がゴミ屋敷3歩手前ぐらいらしいし。」
「それ、ホント!?」
急に立ち上がったアタシに咲ちゃんが少したじろぐ。
「えっ?あ、まー噂だけど、多分ホントだと思うよ。」
「そうなんだ。咲ちゃん、ありがと!」
「え、あ、うん。どういたしまて。」
いやー、良いこと思いついちゃったかも!
これなら、きっとよどみさんも首を縦に振っちゃうよね……くふふ。
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