第16話 筋肉が繋がる

 昔々あるところに、粉を挽く事を生業なりわいとしてる者がおりました。その者には3人の息子がおり、3人の息子は遺産相続でそれぞれ、小屋、ロバ、猫を引き取る事になりました。


 先ずは長男が、見事なサイドリラックスポーズをキメて小屋を貰いました。

 次に次男が、笑顔でサイドチェストをキメてロバを貰いました。

 三男は筋トレが苦手だったので、猫を貰いました。


 ですが、この猫は隠れマッチョでした。アブドミナルアンドサイがキマる程の猫だったのです。



HAニャー-HAニャー-HAニャー!!何も心配は要りませんよ。まず、私に長靴とプロテインバー良質なプロテインが大量に入る袋を下さい。そうすれば、あなたがもらったものが、そんなに悪いもんでもなかったことが近いうちに分かります。HAニャー-HAニャー-HAニャー!!」


 先ず猫は野山のプロテインを一狩りしにいきました。

 本来ならば猫がオトモですが、主がヘタれなので猫単体での一狩りです。猫はファイト猫の本領発揮で、頑張り頑張り頑張り抜いてたくさん狩りました。

 なかなか都合のいい物欲センサーの為に素材集めは難航しましたが、たくさんのプロテインを集める事が出来ました。


 次に猫は海のプロテインを一狩りしに行きました。海でも同じ事を繰り返した猫の袋は満杯です。

 なのでこの中身を王様に献上しました。


 王様は大変喜び、誰が猫の主かを問いました。



「私の主は赤い人曰く、秘密結社のような名前です」

と答えましたが、だいたいの人は意味がわかりません。

 ですが、王様にだけは分かったようです。



「それでは赤井さんにも宜しく伝えて欲しい」


 猫は次の機会を探り、主に城をプレゼントする事にしました。


 王様と姫と主を乗せた馬車が城に向かっていく途中、猫は農民にここは主の土地だと言うように強要します。

 さそて王様に問われた農民は猫の言う通りに話しました。



 猫は一足先に城に行くと、そこには1匹の鬼種オーガがおり、一狩り始まりました。

 流石にファイト猫でも苦戦しましたが、なんとか鬼種オーガを狩り終えると王様一向を迎え入れました。


 王様は「こんがりと上手に焼けたお肉」にご満悦な様子で、猫の主と姫を結婚させることにしました。


 それから猫の主と姫、そして猫は城で毎日ハッピーに暮らしましたとさ。




めでたしめでたし。




 ちなみに猫はそれからも筋トレに励み、雪山や砂漠に一狩り行くと袋一杯に素材を集めて帰り、主と姫は大変に喜びましたとさ。

 その時のBGMは金色に輝く上様が歌っていたとか、いなかったとか。




     ~Fin~

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