第13話 筋肉が描く物語
昔むかしあるところに、「空前絶後の超絶孤高の超IKEMEN! 筋肉を愛し 筋肉に愛された超IKEMEN! 抱腹絶倒地獄絵図! 天上天下唯我独尊! 筋肉のグラディエーター!そう、そのIKEMENはッ! たとえこの身が朽ち果てようと 筋肉を求めて命を燃やし 燃えた炎は星となり 見る者すべてを
王子は筋トレに励み、そのたぐい稀な肉体美をもって、ありとあらゆるモノ達を魅了した。
そんな王子は船で大会の遠征中に嵐に巻き込まれ、マストが折れるも全身全力筋肉パワーで折れたマストを支えた。
氷山の一角に船が衝突してしまい船体が真っ二つになった時も折れた船体をマッスルパワー全開で引き寄せ修復した。
そんなハチャメチャ王子はある時、ふとしたきっかけで海に落ちてしまったのだ。
ご存知の通り、筋肉は沈む。
王子の抱腹絶倒な筋肉の鎧は重りでしかなく、空前絶後の筋肉は深い深い海の底に
たまたまそこに通りかかった1人の人魚の姫がいた。
人魚は溺れ沈んだ王子を一目見た瞬間に恋に落ち、助けようと決めた。だが、深い海底の底に沈んだ超絶孤高の筋肉は、か弱い人魚の細腕では持ち上げる事も
そこで人魚は海の魔女の元へと駆け込み、王子を助ける方法を求め、海の魔女は人魚に秘薬を渡した。
「その秘薬を飲めば、たちまちの内にまっそーになる。そうすれば海底に沈んだ王子を助けられるじゃろう」
人魚はその秘薬を貰い受けると王子の元へと急ぎ向かい、秘薬を飲んだ。するとあら不思議、人魚の身体から尾びれが消え足になり、その身体はみるみるうちにまっそーに変化していった。
まっそー人魚は王子を抱えると泳ごうとしたが、まっそー人魚は泳いでも泳いでも浮上する事は叶わなかった。
なのでそのまま大陸棚を歩き続け、やっとの思いで浜辺に降り立ったまっそー人魚は浜辺に王子を置くと海へと帰っていった。
王子は塩気で歪む視界の中に自分よりも遥かにまっそーな姿を見ていた。
奇跡的に一命を取り留めた王子は助けてくれたまっそーを探した。だが一向に見付からなかった。見付かる気配すらなかった。
人魚は再び海の魔女の元へ行き秘薬を貰って王子の元へと駆け付けた。
王子は大いに喜び、人魚を連れてボディビル大会ペアの部に出場したが、失格となってしまったのだ!
魔女の秘薬でドーピングしたのがバレたからだった。
めでたしめでたし。
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