第12話 筋肉が筋肉に語る

 ある時、ある所で2人の神様が争っておりました。


 1人の神様は竪琴をロックに掻き鳴らし、1人の神様は笛と一緒に身体ををスイング(※スイング=ジャズの特徴)させて竪琴のロックに対してヘヴィにメタっていました。(※メタる=駆け引き)


 2人の演奏が終わると審判として呼ばれた者達はロックに票を入れましたが、1人の王様だけはスイングのキレが良かったので笛に票を入れました。


 当然、自分に全票入ると思ったロックな神様は王様に大激怒。

 そこで、王様の耳をローバーに変えてしまいました。



「うーん、どうしたものか?頭の天辺にローバーのミニが生えてしまった。これでは頭が重くて動くに動けん」

「そうだっ!筋トレをすれば良いではないか!」


 王様は寝る間も惜しんで筋トレに励み、重たい頭を上げて歩けるようになりました。



「うむむ、寝る間も惜しんで筋トレしたせいで髪の毛がボサボサだ。これは切りにいかんといかんな。だが、頭の天辺にはローバーのミニがある」

「そうだ!隠せる帽子を作らせよう!」


 王様はミニをすっぽりと隠せる大きな帽子を職人に作らせ、それを被ってハーバーにある、ババシャツを着たばぁばがやってる理髪店バーバーに行きました。

 ところがいつもの口が固いばぁばではなく、固い物が食べられない口の軽い爺が店番です。


 王様は髪を切ってもらう際に、ミニのコトをだれにも言ってはいけないと約束し、口の軽い爺は軽く了承しました。



 無事に髪は切り終わり、王様が城に帰ったあとの事。


 爺は誰かに言いたくて言いたくて仕方がありません。ですが約束を破るワケにもいきません。

 そこで近くの地面に穴を掘ってそこに叫んでおりました。



「王様のミニはローバーのミニー!」


 これは意味が分かりません。ミニと言う名前は勝手に付けたら商標権で訴えられます。

 海賊版のミニがあるなら分かりますが、それでも訴えられるコトには変わらないでしょう。


 こうしてすっきりした爺は穴を埋めました。



 王様はそれからというもの、すっかり筋トレにハマり日々鍛えておりました。

 ポージングにも執心で極めようとさえしておりました。


 そんな時、王様は1つの噂話を聞いてしまいます。



 「王様が海賊版のミニを持っているらしい」と。


 王様もこれは意味がサッパリです。

 そこで、王様はローバーのミニを隠す事を止めました。だから、外に出る時も帽子を被る事なくブーメランパンツを1枚だけ履いて、ポージングをしながらミニで颯爽と走り抜けていきましたとさ。




めでたしめでたし。

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