第8話 筋肉は筋肉を呼ぶ

 昔々あるところに、3兄弟がおりました。


 3人はお互いに仲が悪く、しょっちゅう喧嘩をしていました。そんな喧嘩ばかりする3兄弟に家の主は耐えかねて家から追い出しました。



「これからオマエ達は自分達で家を建てて、食べる物を探して自力で生きていきなさい!」


 家を追い出された3兄弟は先ずは家を作ることに。

 3人が3人とも筋トレ大好きまっそーずだった為に数時間で家は完成しました。そして一狩り行くお時間になると、3人は自分が食べたい獲物を狩ってきました。


 そんな3人を狙う1つの影がありました。


 影が狙ったのは先ず次男です。長男はワラで家を作っており耐震性はありません。

 つけ狙う影は雄叫びを上げました。



〝はいっ!ズドーン!〝

〝マッスルラーメン!筋肉もりもり〝


 たちまちの内にワラの家は吹き飛びました。次男はまっそーでしたが患っており体力はありません。

 だからワラで手っ取り早く作ったのが裏目に出たようです。



「愛するがゆえに見守る愛もある…」


 これが次男の辞世の句になりました。




 続いて向かった先は長男です。

 次男のトキ同様に長男の家も耐震性はありません。何故なら木製ですがでした。



〝ケツのキレがバームクーヘン〝

〝プロテインにイースト菌混ざってんのかい!〝


 たちまちの内に木の家は崩れました。長男は体力自慢ですが釘を拳で打ち込んでいたのです。



「我が障害、1本も釘なし」


 これが長男の辞世の句になりました。




 三男の家はこれは立派な大豪邸でした。これを数時間で完成させたのにはワケがありそうです。

 そんな事は前の2軒同様にキレてる掛け声だけではどうにもなりません。


 仕方ないので煙突に登り侵入したものの、そこにあったのは大きな焚き火でした。三男は昼間に狩った獲物を焼いていました。

 侵入者はそのまま焚き火の上に落ちました。



「お前はもう焼けている」


 侵入者はどこからともなく声が聞こえました。



「お肉が上手に焼けました♪」


 侵入者は丸焼けになり、三男は美味しく獲物を頂きました。



じ・つ・は、2人が辞世の句を読んだ後、三男は元々の家に行ったのでした。



「俺がこの家を貰い受ける」


 「無から転じて生を拾う」その究極奥義に拠って三男は元々住んでいた家の主を追い出したのでした。

 追い出された家の主は取り返す為に乗り込んだのですが返り討ちに合いましたとさ。


 侵入者の辞世の句はもちろん決まってます。



「お肉は消毒だぁ~」




めでたしめでたし。

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