第7話 筋肉は高揚する
昔々あるところに、それはそれは仲の良い老夫婦が幸せに暮らしておりました。
ですがある時、老婆の惨殺死体が発見されました。
そこは密室で目撃情報もなく、捜査は難航し残された老爺は不安と怒りで眠れぬ日々を送っておりました。
ですが、事件はたった一言で解決に向かいます。
「謎は
と、そんな感じの推理小説を読んでいたウサギの元に1人の老爺がやって来ました。
老爺はウサギさんに妻の老婆が殺された話しをしたのです。
ウサギは興奮しました。そして自慢の胸筋をピクピクさせて叩きました。
「分かりました。謎はこの頭脳は大人、身体も大人な名探偵にお任せ下さい!必ず犯人をタイホだ~ってしてみせます!じっちゃまの名にかけて!」
「いや、犯人はタヌキさんなんじゃ」
ところがどっこい、犯人は割れていました。ウサギはがっかりしたので、がっかりついでに老爺の復讐劇の手伝いをする事にしました。
「タヌキさん、山に柴刈りに行こう!重たいのはボクが持ってあげる!」
ウサギはこう見えて筋骨隆々のまっそーです。だからタヌキを誘って柴刈りに行きました。
ウサギは丸太を背中に背負い、タヌキは小枝を背中に背負った帰り道の事。
かちっかちっ
「ウサギくん、なにやらカチカチ音がしない?」
「何を言っているんだタヌキさん。それはボクの上腕二頭筋がカッチカチだからだよ」
「へぇ、ホントにカッチカチだぁ!凄いねウサギくん」
暫くするとタヌキの背中の小枝が燃えだしたのです。
ぼーぼー
「ウサギくん、なにやらボーボー音がしない?」
「何を言っているんだタヌキさん。それはボクの僧帽筋が頑張って丸太を背負っているからだよ」
「うわぁ、凄いよウサギくん。そんなに硬くてムキムキだなんて凄い!」
後日、タヌキさんは水死体で発見されました。容疑者として捕まったのは老爺でした。
「何故じゃ!ワシはやっておらん!確かにタヌキさんを恨んでおったが殺してなどおらん!」
しかし日が経つにつれ、老爺は自供を開始しました。
タヌキは老爺の愛人だった。そして邪魔になった老婆の殺害を依頼し、口封じの為にウサギに殺してもらう予定だったと。
計画ではウサギがタヌキを海に引き摺り込んで溺れさせる予定だった。しかし、
そこで老爺が計画を変更しタヌキを手にかけたのだった。
老爺はその獄中で筋トレに励んだとさ。
めでたしめでたし。
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