第4話 筋肉の炎症を筋肉痛と人は呼ぶ

 今は昔、竹取の翁マッチョな老爺といふものありけり。


 野山にまじりて竹を取りつつ、よろづのことに使ひけり。


 名をば、さぬきのろーじーとなむいひける。


 その竹の中に、もと光る竹なむ一筋ありける。


 あやしがりて、寄りて見るに、筒の中光りたり。


 それを見れば、三寸ばかりなる人、いと美しうてゐたり。




 「かぐや」と名付けられた姫は、それはそれはすくすくと成長していった。そしてたかだか数週間で絶世の美女ロリと呼ばれるまでの様相になっていた。


 そんな絶世の美女ロリに対して、貴賎を問わず様々なロリコン達が求婚していった。しかし絶世の美女ロリはそのことごとくを、さぬきのろーじーが放つキレてるポージングで追い払わせていく。




 ただその中でロリコン貴族と呼ばれる5人だけは、追い払えなかったのだった。



「まっそーッ!ふんふんふんッ!どうじゃ!キレておろう?」


「まだまだ、麿の方がキレておるわッ!ふんふんまっそーーーッ!」


 さぬきのろーじーのポージングに対抗したロリコン貴族達だけは追い払えておらず、瞬く間にさぬきのろーじーの屋敷はボディビル会場へと変貌していった。



 さぬきのろーじーサイドトライセップス上腕三頭筋がキレてると、対する5人はダブルバイセップス上腕二頭筋フロント前面や、ダブルバイセップス上腕二頭筋バック背面がキレていた。


 かぐやはなかなか決着の付かない様子にしまい、参加者求婚者達に対してこう言った。



「お可愛らしゅうこと」



 その結果、その冷たい言葉ダイヤモンドダスト冷たい表情絶対零度に、参加者求婚者達は次々と意気消沈していく。


 キレていた筋肉は萎え、表情からは笑顔が失せ、その場ボディビル会場にいる資格を失い去っていった。



 それから暫くの後、今度は白銀しろがねさんちの御門かいちょうが、かぐやの元へとやって来て自分に求婚としたが、その前に立ちはだかったのは1人の男。



 今度も立ちはだかったのは、さぬきのろーじーその人であり、今度はさぬきのろーじーサイドチェスト腹筋などなどがキレていた。

白銀さんちの御門かいちょうは対抗しモスト・マスキュラー力強いポーズで全身がキレている。


 そしてその時、かぐやは2人の闘いポージングなどに全く興味が全く無かった。



「二人とも………お可愛らしゅうこと」


 そしてそれだけ言い残すと宇宙そらへと帰って行った。




めでたしめでたし。



 かぐやに捨てられた2人は、捨てられたコトすら気付かなかった。

 拠って食事をする事も忘れ、寝る事すらも忘れ、不眠不休で3日3晩の間お互いのポージングをお互いに見せ合っていた。

 最後はお互いの筋肉を讃えあっていたが大事なコトを忘れていた。



「くっ、告白させなければ意味がないと言うのに……」




     ~Fin~

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