第2話 筋肉とは一体何なのか?

 昔々、ある所にマッチョな老夫婦がおりました。


 マッチョな老爺ろーじーは、山へ柴と柴犬をにいったついでに、庭の芝刈りをしておりました。


 マッチョな老婆ろーばーは、ミニと名付けたロバに跨り洗濯物を担いで川に行き、そこで洗濯をしておりました。



 その時です!老婆ろーばーが川で洗濯物をしていると、「Hey まっそー!どん、どどどんどんぶら。HeyHey まっそー!どどどんぶ~ら、どど、どどどんぶらこっこ♪」と言うよく分からないリズムと言う名の効果音ボイパと共に、6人のマッソー達が桃が乗った神輿を担ぎ、川下りに興じておりました。



 老婆ろーばーはその川下りを見て自分も興じたくなり、洗濯物を放り投げるとミニに跨ると急ぎマッソー達を追い掛けていきました。



「Hey まっそーズ!その川下り、待ったーーーー!!」



 老婆ろーばーがミニで追い掛け川下りマッソー達に近付くと、川下りマッソー達はその老婆ろーばーの鬼気迫る顔に戦慄を覚えたので、桃が乗った神輿を置いて逃げて行きました。



「なんじゃいなんじゃい、年寄り1人混ぜてくれても良いじゃろに!!」

「えぇもんえぇもん、これ全部もろてやる!ふんッ、まっそー!」


ギクぅッ


「こ、腰がいわされてもうた…」



 老婆ろーばーは一人では腰をギックリし神輿が担げない為、桃だけを担いで老爺ろーじーの待つ家へと帰って行きました。



 老婆ろーばーが桃を担ぎ帰る途中の事です。

 桃の中から「良質なプロテイン、良質なプロテイン」と、不気味な声が響いてきている事に気付きました。

 そこで老婆ろーばーは気味の悪さを覚えながらも、「キレてるかい?」と返答したのでした。



 すると桃は「パッカーン」と盛大な音を立て2つに割れ、中からは筋骨隆々のマッソーが現れたのです。



「ふんッ!まっそーーー。ところで老婆よ、良質なプロテインはどこだ?」



 桃から産まれたマッソーは、見ず知らずの老婆ろーばーに問い、老婆ろーばーは黙ってお昼ご飯のきびだんごを差し出しました。



「オレにはもっと、良質なプロテインが必要だ」



 桃から産まれたマッソーは、そのきびだんごを受け取ると意気揚々と旅に出ましたとさ。




めでたしめでたし。

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