友達A

教室から見下ろすグラウンド


泥だらけになりながら白球を追いかける君


とてもかっこよかったよ


本当は君のそばで見ていたかったんだ


だけど怖かった……


近づくことが怖かった……


君の瞳に私がいないんじゃないかって


私の中の君はいつも笑ってた


でもあの時見せた涙を今でも覚えてる


最後の試合の背番号


君には何もなかった


ただタオルをかぶって静かに涙を流してた


慰める言葉が見つからなかった


ただ寄り添うこともできなかった


私はそこから逃げ出した


そこはすでに誰かがいたから


私は君のヒロインにはなれなかった


私は君のわき役でしかなかったから


友達Aから君に


「頑張れ私のヒーロー!!」

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