第16話
困惑した雰囲気のままホームルームが終わる。
俺は要さんを連れて教室を出た。
そしていま屋上にいる。
屋上に男女二人というと告白みたいに考えてしまうが全然関係ない。
「まーくん、なのか?」
「ゆーくん、だよね」
二人の視線が合う。
刹那、要さんいや、真那が抱きついてきた。
「もう、会えないかと思ったぁああああ!初めて仲良くなった男の子だったのに引っ越しのせいで会えなくなって、うわぁあああん」
「泣かないでくれよ、俺も嬉しいから、な?」
「うん……」
真那は俺が思った以上に俺との別れを悲しんでいたみたいだ。
たしかに俺も悲しかった。
小学生の頃からボッチだった俺には放課後俺と遊んでくれたまーくん、真那は俺の居場所の1つだったから。
「ただいまっ!」
そう言って真那が俺に向かってはにかんだ。
かわいい。
昔は男の子にしか見えなかったからそんなことを思うことはなかった。
「可愛くなったな」
「ッ!」
思ったことを口に出した。
顔を赤く染めている真那を見て俺は自分の失言に気づいた。
「ご、ごめん!今の忘れてくれ!」
「い、嫌だ!忘れないもんっ!」
なんでそこ、意地張るんだよ。
「さっ戻ろう?授業始まっちゃうよ」
「そうだな、戻ろう」
◇◇◇
教室に戻った時男子からはスゴい恨みの視線。
女子からは好奇心の視線を向けられた。
そして一番怖かったのは浪香がすっごい顔で俺のことを睨んで来たことだ。
それからは真那と一緒に行動した。
呼び方も真那に変わった。
「ゆーくんご飯食べよう?」
あ、やべ雪華さんのこと伝えてなかった。
「飯は一緒に食えない、ごめん」
「え、食べれないの?」
どうにかして一緒に食べることはできないか考えてみる。
これなら!
「ちょっとまってくれ、一緒に飯食えるかもしれない」
「ほんと?じゃあ待ってる!」
俺は雪華さんにLINEをする。
『雪華さん。紹介したい人がいるんですけど今から連れてきてもいいですか?』
『うん、良いけど珍しいね、幸弥くんが人を連れてくることなかったからね。じゃあ待ってるわ』
『はい』
「真那一緒に飯食えるぞ!ついてきてくれ」
お願いだ。
真那と雪華さんが仲良くなってくれ!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
皆さんのおかげでこの作品が週間ランキング(ラブコメ)にて38位になることができました!
これからも呼んでいただけると嬉しいです!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます