第15話

俺が甘やかせるって言ったのになぜか俺が甘やかされた日の3日後。

俺たちのクラスでは何故か朝から転校生が来る来ないという話題で盛り上がっていた。

いや普通今日じゃないだろ。

月曜とかじゃないの普通、今日水曜日だけど?


「おーいお前ら座らんかーい」


ちょっと頭のおかしな言い方をしながら先生が教室に入ってきてそう言った。

相変わらず変わってる。

でもみんなそんな先生が関わりやすいらしい。


「まぁなんか噂になってるらしいからもう言っちゃうけど、転校生が来た。そして喜べ男子共むっちゃかわいいぞ」

「「「うおおおおおおおおおおお」」」


先生あんた女性でしょうが。


「んじゃ入ってくれ」


先生のその一言で1人の女子生徒が入ってきた。

髪型はショートボブで女の子らしさが溢れている。

その生徒が入ってくるなりクラスの男子全員(俺と拓也以外)が目を奪われた。

いや、もしかしたら俺たちも多少目を奪われていたかもしれない。


「要 真那(かなめ まな)です。よろしくおねが……」


少し懐かしく感じるような名前だったが多分勘違いだと思う。

そんな事を考えていると何故か自己紹介が止まった。

どうしたのかと顔をあげると要さんと目があった。

その瞬間俺はやっぱり懐かしくなった。


無言で要さんがこっちの方に歩いてくる。

ていうか俺に向かってきてる。


「ゆー、くん?」

「え?」


懐かしい呼ばれ方だった。

俺が小学生の頃一緒に遊んでくれる男の子がいた。

その男の子は小学4年生のときに引っ越した。

その男の子は俺のことを「ゆーくん」と呼んでいたからだ。

ありえない。

男の子じゃなかったのか?

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