第12話

ダンキについた俺は結局彩佳の服選びに付き添っていた。


「幸弥兄これとかどーよ」

「彩佳に合ってていいとは思うけどちょっと露出が多いんじゃないか?」

「そっかー」


今見せてきた服はオフショルダーの薄い長袖の服とミニスカートのコーデ。

ほんとに悪くはないんだが、町中でそんな格好してるとナンパされかねない。

中学3年生の彩佳には強い力がないため無理やり連れて行かれても反抗できないからなぁ。


「これなんてどうですか?」


今度は雪華さんが彩佳にコーデを提案した。


「髪の結び方をポニーにすることでこのロングスカートと合いそうですよ」

「えっとじゃあ着てみますね」


そう言って彩佳はまた試着室へと入っていく。

そして30秒ほどでカーテンが開かれた。


「どう…かな?」

「……良いんじゃないか?」


雪華さんが提案したコーデはとても今の彩佳にマッチしていた。

普段のようなギャルっぽさは感じられず銀色に染められた長い髪をポニーテールにしていて、更に白いロングスカートからは兄である俺でも一瞬見惚れてしまうほど清楚で可愛い彩佳がそこには居た。


「幸弥くん。彩佳ちゃんに見惚れるのは彼女として、未来のお嫁さんとして私としては許され難いことなのですが」

「す、すみません」

「むぅ、帰ったら私のことを甘やかしてください」

「分かり、ました」


彩佳に嫉妬したのか雪華さんは頬を膨らませて俺とは目を合わせずにそう言った。

素直に可愛い。


「ほんと雪華さんにはかなわないなぁ」


彩佳お前は何言ってるんだ?



◇◇◇



それから何着か試着し雪華さんが選んでくれたコーデを購入して昼ごはんとなった。

フードコートに向かう途中俺は見たくないものを目にした。


「………浪香?っ!ちょっとトイレに行ってきます!」


その時見た浪香は誰かを探しているような、まるで俺を探しているようなそんな気がした。


〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜


また浪香が出てきましたね。

次回は浪香視点が多めとなっております。


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