EP,2 強襲

「主砲よーい!」

 格納された大筒が展開され、エネルギーの充填が開始される

「充填完了まで100秒!」

 その時、大きな揺れが船内を轟かせる

「クッソ! 右側だ応戦しろ!」

「了解、右舷砲塔ロック解除」

 自動撃墜システムが作動し、敵に向かい一斉射する

「数が多い! キャプテンD/dモード発動許可を」

「了解! 許可する」

「D/dモードへ移行します! 揺れに注意を!」

 ブリッジと気球が格納され、特殊兵装が展開する

「Destroy a dead endモード開始、機体損傷率20%、障害を自動検知、障害の破壊を開始します」

 音声アナウンスが開始され、右左翼に搭載された砲塔が次々と砲弾を周りを飛ぶ海賊の船に命中させる。

 しかし、すべてを倒すことはできず

「手動兵装展開、手動での障害の排除を開始してください」

 と音声アナウンスが流れ、画面には操作手順が表示される

「クイーン! これは?」

「わかんないけど、手動で操作できる兵装が解除されたから、キャプテンは左翼側、ルークは右翼側、ジャクソンは尾翼を守って!」

「OK、ここはクイーンの指示に従おう」

 そして私はこの舵輪でどうにか切り開く!

「クイーン、僕こんなことやったことない」

「大丈夫、システムが教えてくれる、安心して」

「わかった! 頑張るよ」

「それとルーク、終わったらお菓子あげる」

「やる気出てきた!」

 そろそろ3人共位置についたかな、こっから一番近いドックは、50㎞か……

「みんな聞こえる? 今から救援信号出しつつ、20番ドックに急行するから衝撃に気を付けて」

 ここからは一人か、よし! 右旋回したら渓谷だからそこでできるだけ高度を下げて、50なら全速力で25分か、それまでに救援が来てくれれば……いいや! とりあえず、救援信号を出して、ok

「全体に通達、10分持たせて!」

「了解、やるだけやる」

「ああ、こうやって応答できるんですね」

「……こうか、了解!」

 後は救難信号に気づいてくれるのを祈りながら、私があの渓谷を抜けられるか

「やるしかないか……」

 気合い入れろ、形状的には今は飛行機の方が近いから、高度は60で固定、

「…ちら…こちら、ニュー・ロシア20番ドック応答せよ」

「こちらモビー・ディック、海賊に襲われている、救援を頼む!」

「了解、もう航空隊を送った、2分後には到着する予定」

「了解、それまで持ちこたえる!」

「頑張ってくれ!」

 よっしゃぁ! キタキタキタ! 2分か、避けきってやる!

 左からはダウンフォース、右からはアッパーフォース、どちらかによろければ墜落、楽しくなってきた、

「楽しくなってきたぁ!」


 しかし数が多い、これは無人機か、どっかに母艦があるはずだけど、探してる余裕はないか、

「こちらニュー・ロシア第3航空隊、援護に来た、もう安心しろ」

そこから先は早かった、たった10機だが、人間と機械では差は歴然で、たった10機が援軍に来ただけで形勢は逆転する、

「そちらの船も素晴らしいな」

「そうだろ! 俺の船なんだ!」

何か見える、赤い、赤い光、彗星? 違う、あれは、ビームだ

「全員衝撃に備えて!」

手元のキーボードを操作し、防御形態に移行、防御フィールドを作動、エンジン出力低下、正常範囲内、燃料は、大丈夫、持たせればいいから、

「「ドン!」」

衝撃が走る、機体損傷は……なし、残り3キロか、

「あれが、母艦か」

それは鯨のようだった、その大きな船はゆっくりと旋回し、遠くへ行ってしまった

「畜生、逃げやがった」

「終わったか」

「ここからは俺たちが誘導するよ」

「ありがとう、じゃぁD/dモード解除」

私たちは誘導され、ニュー・ロシア20番ドックに入り、しばしの休息に入った

「あ、そういえばさ、私聞いてなかったんだけど」

「? どうした」

「なんで旅をしてるの?」

「あー言ってなかったっけ……」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る