青い犠牲

君と出会ってから ずっと一緒だった

同じ時間を過ごした 同じものを見てきた

共有したはずの「今まで」は確かにあった

けれど「これから」がないのは信じられないな

近づく終わりに気づいているのに

まったく知らないフリをしていたんだ


「明るい未来のためだ」という言葉で

いくつもの宝を犠牲にした

そうやって手にした春はただの黒に過ぎなかった

幸せなんて学校で教わる事じゃ

手に入りなんかしない


ほら目を瞑れば見えてくるカラフルな幸せ

人の目なんて気にしなくていい

その足枷を誇りに思って

社会の歯車にならなくたっていい

「あなたは無理やり染められる必要はないの

 あなたは元から色を持っているんだから」


眩しいネオンのあの街で

灰になるまでと僕らは誓った

結果なんていらなかった

ただその瞬間を

陳腐な永遠で構わない

一瞬に浸っていたかった


いつまでも一緒にいよう

出来ないなんて気づけない

混ざり合ってきたのは光

暗闇に染まれば終わりかもしれない

僕らを引きはがすのは数々の選択だ

未来のために選んできたものだ

足枷はまだついている

出来ることは決まってるんだろう

君もそうするつもりだろう?


再会を誓おう

自分の色を忘れた時に

失くした青はその時に助けてくれる

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