第3話 今日はこれから。

「んー。今日もいっぱい食べたとね。作ったかいがあったちゃ。味付けは、満足したと?」


「いままで1番美味しかった? ふふっ。それは良かったちゃ。お兄さんにもっと喜んで貰えるように、ウチ、頑張るちゃね」


「それじゃあ、ウチはこのまま皿洗いをパパパと終わらせるけん。お兄さんは、ベットのお部屋でウチが来るのを待っちょってな?」


「ん? なにを驚いとると? 1ヶ月記念日は、これで終わりじゃないがよ?」


「今日は、検索結果を色々と試すけんね。オムライスだけやなくて、ウチ、いろいろと準備したんよ?」


「ほやからな? お兄さんはベットのお部屋で、ウチが来るのを待っちょって欲しいん。洗うお皿も4枚やけん、待ち時間は全然ないちゃね」


「ん? 待ち時間の問題やなくて、ウチがお兄さんの寝室に行くのがあかんと?」


「んー……、それは、なんでね? なにがあかんと?」


「理由は言えない? むぅ。そのくらい教えてくれても良かよね?」


「……あっ、あんな? 間違ってたら恥ずかしいとやけど。お兄さんもしかしてウチのこと、女の子やと思って意識しとると?」


「ん……、そやちゃね……。お兄さんは、ずっとウチのお兄さんやけん、ウチのことを意識するはずないちゃね」


「ほしたら、どうしたと?」


「ん? ウチが危機感をなくさないために? 部屋に入れたら、

寝室を別にした意味がなくなる?」


「お兄さんの言いたいことは、なんとなくわかると。一緒に住む条件も覚えとるけん」


「ほやけどな? ウチらはこの家で2人暮らしなんよ? 危機感なんて、いまさらやと思うとね」


「あっ、ウチ、わかった! お兄さん、ベットの下にエッチな本を隠してあるとね? それをウチに見せたくないから、入ったらダメやんね?」


「それやったら、大丈夫やよ? ウチ、そう言うのに理解のある女子やけん。全然気にせんとよ?」


「ん? それも違うと? やましい理由はない? んー、ほやったら、入ってもよかよね?」


「そっ、それにな? もしもやよ? もしも、お兄さんがウチの事を女の子やと意識してても、ウチは全然大丈夫やけん」


「兄妹みたいに仲良しやけど、血のつながりはないけんね。ほやからな? もし、お兄さんがウチに手を出しても、お兄さんがウチをお嫁さんにしてくれれば──痛っ」


「もー、なにするとね? デコピンなんてせんくても、お嫁さんは冗談に決まっとるけんね」


「それにいまのはお兄さんが悪いんよ? ウチがお兄さんの寝室に入ったらダメとか言うから、そういう冗談が出てくるけん。ウチとお兄さんなら大丈夫に決まっとるちゃね」


「むぅ~、おでこがジンジンすると。すっごく痛いちゃね……。この痛みを消すには、お兄さんにお詫びをしてもらうしかないとよ」


「お詫びは、ほっぺにチューでいいちゃね。ウチは、目を閉じて待っとるけん。……ほっぺじゃなくて、おくちでもいいがよ?」



「…………」



「……、ふふっ。ウチの思った通り、お兄さんはなにもせんかったと。はじめからわかっとったちゃ」


「ほやからな? こうして、ウチの息が、お兄さんの耳に届きそうなほど近付いても、ウチは平気なん」


「耳元で、吐息混じりに、ゆっくり囁いても。お兄さんは固まるだけやと知っとるけんね。ほやから安心しとると」


「準備が出来たら、そっちに行くけんね。ベットの上で、楽しみに待っとるんよ?」


「そんなお兄さんも、ウチは大好きやけんね」



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