普通の死後の世界?
「えーーーと、次は
死後の世界というのは本当にあったようだ。
私は死んだ。そして、今、光の玉となり自称神と呼ばれるものの前にいる。
「自称ではありませんよー。I am GOD。Are You OK?」
心が読まれたのだろうか?見た目に既視感があるのも何故なのだろうか?
「神ですから。心も読めます。それに魂だけの存在と会話するには心を読むしかありませんからねー。そして、見た目は人により見え方が違うので、平野さんの場合はお孫さんの姿に引っ張られてるみたいですねー。」
成る程、そういうことなら受け入れるしかない。
「ご理解いただいたようですねー。ではー、平野さんの生前の行動からポイントを算出してみましょう。このポイントを使って来世での平野さんの転生先や特技等が設定できますのでー。」
パラパラと書類をめくる神。アナログだ、データ管理とは言わないがもう少し神秘的な方法があるのではないのだろうか。
「ああー、これはポーズですよ。調べてますっていう姿がないと文句をいう人もいますからねー。」
成る程、神もお役所仕事と似たところがあるのだろう。
「おおー!平野さんは理解が有りそうなのでこの書類は必要ないですねー。」
定年まで地方の役所に勤務していたのだ。面倒な人の対応などもある程度経験がある。必要ないものも用意して見せる必要があるのだ。
「では、平野さんのポイントは、80点ですよー。」
ふむ、基準がわからないが、テストなどで80点だとまずまずの点数といえるだろう。
「そしてー、平野さんの人生評価は【普通】ですー。あっ説明してなかったですねー。人生評価は来世の素質のベースになりますよー。」
普通。まぁ、そうだろう。私自信の人世評価も【普通】だからな。
「おおー。達観してらっしゃいますねー。ここが一番揉めるところなんですけど、じゃあ、次にいきますねー、ポイントを使って次の人生に必要なものを選んじゃいましょう。」
ふむ、次の人生に必要なものか。ならば一つしかない。
「お?お?あぁー。うーん。」
どうした?さほど難しい願いではないはずだか。
「そうですねー、難しくは無いんですがー。実際に平野さんの願いを実行するには3ポイント有れば足ります。」
ふむ、何か問題があるのだろうか?
「正直に言いますねー。平野さんの【来世でも妻に会いたい】の願いは、この世界ではたぶん無理です。」
なぜだ?
「それはですねー、このままでいくと奥様が異世界へ転生することが決まってるからですねー。」
異世界だと?
「そうです。現時点での奥様の人生評価は【最高】。ポイントも80点は越える予定なので、この世界での未練は無しと判断されて異世界へと転生されてしまいます。」
妻の人世は【最高】か.......ならば、是非もない。
「いいんですかー?異世界は不便ですよー。科学も発達してないですし。なにより魔物がいます。」
魔物?孫や子供がやっていたゲームに出てきたようなやつだろか。
「そうです。生半可な人生評価の人が行っちゃうと強くなれずに殆どの人が死んじゃいます。」
ふむ、危険な世界ということか。
.......いや、私の考えは変わることはない。
「うーん。頑固ですねー。はぁー、もーわかりましたよー。責任はとりませんからねー。」
感謝する。
「となるとー、あっちの神にも連絡とって、えーと?あれしてこれをやって?あれ?うーんと.......」
放置されてしまった。あまり無い事例なのだろう。役所で仕事の出来ない職員がよくやる、たらい回しにされないだけましだ。静かに見守ろう。
「....はいはい。じゃあよろしくねー。あっ、うん。そうそう、オッケー任されたー。」
.......何故か嫌な予感がするのは気のせいだろうか。
「えー、平野等一さん。」
はい。
「最後の確認です。本当に異世界にいきますか?」
勿論だ。
「わかりました。神の名において平野等一の魂を異世界へと転生させます。」
ああ、手数をかけてしまい申し訳ない。
「あっ、そうだ。ポイントはどうします?あと77ポイントありますけど?」
そうだな....ならば、神のおすすめでお願いしよう。
「そうきましたかー。その選択肢は......大当たりですよーーー!!」
テンションが高いな。ゲームを買ってあげた時の孫みたいだ。
「神のおすすめセットでポイントを使用して異世界へと転生させますねー。」
ああ、頼む。
「ではー、平野さんの来世に幸せがあらんことをー」
意識が薄くなってきた。来世も悔いの無い人生だったと最後に言えるように生きたいものだ。
◇◇◇◇
「送ったよー。」
『軽い軽い。あなたそっちの世界の創造神でしょう。威厳を持ちなさい。』
「あーこれー何か気に入ったからしばらくこれでいいかなーって。」
『はぁー、まぁ、いいわ。で、本当に【普通】なの。』
「そう。神様嘘つかない。正真正銘【普通】の人生評価だよ。」
『あり得ないって言いたいけど。』
「実際にいるからねー。」
『ほとんどが【まあまあ】か【そんなに】でしょ。【普通】って何年ぶりよ?』
「そうだねー、2000年はたってるんじゃないかな?」
『2000年。そんなになるのね。』
「【普通】の人は素質が特殊な感じになるからねー。平野さんには面白い人生を送って欲しいよ。」
『そうね。こっちでも注意して見守っていくわ。そういえば、ポイントどう使ったの?こっちはそっちでいうところの剣と魔法の世界よ。それなりのスキルとか素質とかに使ったのよね?』
「神様おすすめセットだよー。」
『それはまた。楽しい選択ね。』
「ねー。楽しみだよねー。」
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※ちょっとシリアスっぽい感じはここまで......の予定です。
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