第7話 戦闘狂vs変態
「フフフフフフフ!!!」
「うおりゃぁぁぁ!!!」
互いを殴り合うアスクとエルミラだが、スピードの差で徐々にアスクが押され始める。
「まだまだこんなもんじゃないよネェ!!君の力をもっと見せてくれヨォ!!!」
「クッ...」
(スピードが上がってきたのはまずいがそれよりもさっきの奴の発言だ。オーガ達みたいに取り込む、と奴は言った。となると奴のスキルは〈吸収〉の類でバリアはハッタリ。しかも吸収した奴のスキルすら使えるようになる。もっと他のスキルを持っていたら俺の勝利は遠くなるばりだ、ここは一気に決めるしかねぇ!)
頭をフルスロットルで回転させて現状を確認し、長引けば長引くほどエルミラのペースに乗せられると判断して一気に勝負を決めるように判断したアスク。
「サァ!サァ!!サァ!!!」
(今だ!)
「雷迅拳!」
大きく振りかぶったエルミラの攻撃を見切り、自身も攻撃体制へと移るアスク。
しかし...
「そうくることは読んでいたヨ!」
アスクが己の腹部目掛けて攻撃すると踏んでいたようで、エルミラは先ほどと同じようにオーガの拳を出現させて迎え撃とうとする。
「残念、ハズレだ」
瞬間、アスクが目にも止まらぬ速さでエルミラの背後へと移動した。
もはや瞬間移動かと勘違いするスピードだったが...
「いいや、アタリだヨ」
エルミラはアスクがフェイントを仕掛けてくるであろうことも予想していたようで。
自分の背中からもオーガの拳を出現させていた
「吹っ飛びな!〈
「ぐぁ...!」
勢いよく殴られたアスクは部屋の中央から部屋の外まで吹き飛ばされ壁に激突した 。
「ほらほらほら!早く立ち上がらないと死んじゃうヨォ!!??」
猟奇的な表情を浮かべ、吹き飛んだアスクへと追い討ちをかけるエルミラ。
「アリアさん!早く助けないとアスクさんが!!」
調査員達の避難を完了させたユーリが駆け寄りアスクの救出へと向かおうとするがアリアがそれを止める。
「黙って見ていろ、あの程度で死ぬようなタマじゃない。ここからがアスクの本領発揮だ」
突如、
ダンジョン内に空などないというのに。
けたたましく鳴り響いた雷鳴に驚き耳と目を塞いだユーリ。
次の瞬間、開いた目に映ったのは...
エルミラの腹部を貫く、先程とは見た目ががらりと変わったアスクの姿だった。
「
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