第16話 4人目の幹部

3人目の幹部、マヌーを倒してから4ヶ月が過ぎた頃、4人目の幹部がいる星へシャドウ達は向かった。そこは、大規模な研究所があるため、マナカら特事課も任務の対象となっていた。過去以上に規模が大きいため特事課のほぼ全員がこの任務に当たった。


最初に着いたのはマナカたちだった。そこで見たものは予想を大きく上回る光景だった。遠くから見ても、はっきりわかるぐらい大きく、研究所とは思えない外観だった。また、研究所までの道のりも決して平坦ではなく、容易にはたどり着けないように入り組んでいた。しかも、随所にカメラのようなものもあり、厳重に警備されていた。どのように研究所に近づこうか模索していたとき、シャドウ達、騎士団も合流した。先の状況が全くわからないため、影光と朔が偵察に行った。


しばらくすると、2人が戻ってきた。研究所の内部に入ることはできなかったが、ある程度情報が得られたらしい。2人が言うには、やはり、道中にはカメラが設置されており、また、空中からも一定時間監視用のドローンが飛んでいた。また、研究所の付近はより警備が厳しかった。影光はこうも続けた。自分達の存在はもう把握されている、と。


皆が不思議に思っていたとき、辺りに誰かの声が鳴り響いた。声の主はメージュと名乗った。メージュは余裕の表れなのか、シャドウ達にこう言った。


「私の最強の兵を倒せたら、相手になってあげる」


メージュの兵とは、自ら造ったロボットや人造人間のことである。彼女はずば抜けた頭脳の持ち主であり、セーヴィスに一目置かれている存在である。戦闘も得意とはしているが、研究員としての実力のほうが大きい。組織へ貢献するため、人々を使い、実験を繰り返していた。犠牲となった者は数知れず、彼女もその1人。シャドウにとって2人目の仇、パンドラを悪に引きずり込んだ張本人だった。


シャドウたちがメージュの話に耳を傾けている間、既に彼女の兵がシャドウたちを囲み始めていた。メージュの放送が終わるや否や戦闘が開始された。しかし、戦況は圧倒的にシャドウたちが不利であった。兵は痛みや恐怖を感じないため、殺すという目的を果たすためだけに正面から攻撃を仕掛けてくる。急所がわからない兵の攻撃をかわすことだけで精一杯だった。このままではメージュにたどり着く前に皆が倒れてしまうと考えた影光は、攻撃は最小限にしつつ研究所に近づいていくことにした。


日が昇りきった頃、シャドウ達はやっとの思いで研究所に到着した。しかし、この先、新たな試練が彼らを待ち構える。

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