第15話 作戦開始
オルコアヴァンセの幹部は8人。影の一族として目覚めた彼女、リナーシタで討ったドイルを除けば残り6人。セーヴィスと共に行動していることが多い、ハデスは後回しにすることとなった。
騎士団と出会ってから3ヶ月の間に2人の幹部を倒した。その後すぐに3人目の幹部を討つ作戦が決行された。3人目の幹部はマヌーという半人半獣の男だ。時には人に化けたり、獣として行動することもある。彼の武器は他にある。人に感知できないくらいに小さくなれること、寄生した者を内部から操ることができることである。
つまり、彼はパンドラにきっかけを与え、地球の崩壊に導いた男ということだ。シャドウにとっては、許し難い存在である。
この3ヶ月で、シャドウは能力を上手く操ることができるようになった。しかし、マヌーを討つことはそう簡単にはいかなかった。マヌーは、近接戦を最も得意としている。それに対しシャドウたち騎士団はその逆である。影のように敵に近づくことは可能だが、嗅覚の鋭い彼には通用しなかった。また、マヌーに間合いに入られれば、1発で殺られてしまうため、一定の距離を保たなければならなかった。今まで以上に注意が必要であった。
一方、特事課は100以上ある研究所の壊滅を進めていた。影光のおかげで能力が向上し、全員が戦闘向きの能力も使えるようになった。騎士団の調査で規模が小さいとされる研究所はなるべく少数で潰していくこととした。その結果、3ヶ月が経った頃にはその数は80弱となっていた。
シャドウ達とマヌーの戦いは終わりを迎えようとしていた。マヌーには弱点があった。自らの姿を変化させるのにかなりの力が消耗される。そのため彼は、人に寄生しある程度まで回復するまで身を潜めるのだった。しかし、影の一族にはそれが通用しなかった。寄生できないマヌーは、徐々にスピードも落ち、動きが鈍くなっていった。それに気づいたシャドウはすかさず、攻撃を仕掛け続けたのである。
結果、マヌーは力尽き、倒れた。マヌーの配下も投降せざるを得なかった。
ドイルと連絡が取れなくなった日から、オルコアヴァンセの本部は混乱に陥っていた。ドイルが任務で行ったであろうリナーシタという星は、誰が探しても見つからなかった。星ごと存在を隠せる者が自分達の他にいたのかと動揺した。そんな中、2人目の幹部の死が報告された。セーヴィスは怒りと焦りを隠せなかった。必ず報復すると心に誓い、徹底的に捜索を始めた。同時に、地方に散らばる幹部には注意を促した。
しかし、セーヴィスの行動も虚しく、多くの研究所が壊滅、幹部がさらに2人討たれていった。この状況にセーヴィスの怒りはさらに募っていく。
セーヴィスは体勢を立て直すため、残っている幹部を本部に招集、会議を行う手配をした。
しかし、セーヴィスの知らぬ所で既に事は起き始めていた。このとき、シャドウ達は4人目の幹部へ奇襲をかけていた。
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