いかり

バブみ道日丿宮組

お題:マンネリな怒り 制限時間:15分

 彼女は憤怒してた。

 声をかけたり、もので釣ろうとしてみても反応なし。

 ただひたすらに無視されてた。

 どうしたものか。

 彼女が怒るのは日常的なもの。怒らない気が済まないタイプなのだ。

 そこにストレスが溜まることはなく、彼女も発散できてるわけではない。

 

 なんで僕たち結婚してるんだ。


 そう思いつつ大学に向かう。

 さすがに帰ってきたら、元に戻ってると思う。

 彼女とは別の大学。直接会うということはない。

「……いってきます」

 家から出て鍵を閉める。

 いつもであれば、玄関前に猫と一緒にきてくれるのだが激怒してる今はない。

 猫だけがいってらっしゃいと意思表示をしてくれただけ。


 帰宅。

 家の中は暗かった。

 まだ彼女は帰ってきてないのだろうか?

 リビングの電気をつけると、ソファーで眠ってる彼女の姿が見えた。

 猫は寂しかったのか、僕の足元にきて頭をくっつけてくる。

 持ち上げて抱きしめる。

「お腹空いた?」

 昼ももしかしたら食べれてないかもしれないと、急いでご飯の用意をすると、勢いよく食べ始めた。

「慌てなくてもなくならないからね」

 頭を撫でる。

 猫はいいとして、問題は彼女だ。

 さすがに19時過ぎで眠ってるのは次の日にくる。

 ゆさゆさと揺さぶると、唸り声がかえってきた。

 継続して揺らす。

 彼女はゆっくりと身体を起こして、目をこする。

 今何時と聞かれ、時間を教えると、大学さぼちゃったとなんだか悲しそうにした。

 一日位大丈夫だよと、彼女の頭も撫でる。

 心底嬉しそうな笑みがでた。

 機嫌はどうやらよくなったようだ。

 ご飯しようかというと、お風呂入ってくると寝室にいって数秒で戻ってくる。

 一緒に入ろうと彼女はいったので、ご飯はと返すと、出た後にしようと。

 また彼女のご機嫌が崩れてもあれなので、提案を受け入れた。

 お風呂といっても、沸かしてないので当然シャワーだけ。

 それでも彼女は嬉しいらしく鼻歌を鳴らす。

 僕はその身体を洗ってあげた。

 ちなみに僕の身体は洗ってくれない。ちょっとだけ不満。

 お風呂から出ると、彼女は台所にたち、料理を開始した。

 今日は作ってくれるらしいとのことで、ご飯を食べ終えてた猫を構ってあげる。

 猫も彼女も気分屋なので、対応できるときにしておかなければならない。

 はたしてご飯ができ、召し上がる。

 ご飯を食べ終えると彼女が舟を漕ぎはじめたので、身体を支えながら寝室へと誘導。

 僕はリビングに戻って、ネットサーフィンを開始した。

 情報は武器だからね。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

いかり バブみ道日丿宮組 @hinomiyariri

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る