さようなら今世、こんにちは来世
きょろすけ
第1話 さようなら今世
「あなたは現世に不満はありますか??」
飲み屋で1人で飲んでいた時に、隣に座った男にそう囁かれた。
は年齢は定かではないが、とても若いように見える。
社会人になりたてだろうか。
男というよりも、青年という言葉が似合う。
「あぁ、不満だね。上司には毎日怒鳴られ、結婚はしたが嫁と子供に逃げられた。もう年齢も定年間近だ。この世になにも幸せはねぇよ。どーしろってんだ。あとは死ぬだけよ。」
そう俺は声を掛けてきた見ず知らずの青年に答えた。
「やり直しませんか、人生。」
そう言った男の目は、黒く深い闇のようで
見つめていると吸い込まれそうになる。
「やり直せるなら、そうしてぇよ。」
そう答えた。
「それなら、一度ここへ連絡して下さい。」
青年から渡された1枚の名刺には
「不満を持つすべての人へ」
そして、電話番号が書かれていた。
ありがとよ。
なんだ宗教か、そう感じた男は早々と会計して帰ろうとする。
「あなたは必ず電話する。そしてまた会いましょう。」
なに言ってんだか、変なのに絡まれたなぁ。
早々と立ち去った。
なんか興醒めたなぁ、もう一軒飲んで帰るかぁ。
そう思い立ち、次の店へと向かった。
最後に彼を見たと言う証言はここで終わっている。
さようなら今世、こんにちは来世 きょろすけ @kyo-suke777
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
フォローしてこの作品の続きを読もう
ユーザー登録すれば作品や作者をフォローして、更新や新作情報を受け取れます。さようなら今世、こんにちは来世の最新話を見逃さないよう今すぐカクヨムにユーザー登録しましょう。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます