第8話

2人は顔を見合わせて頷くと

「空、任せろ!森はオイラの友達だ!人間の居場所なんか、すぐに見つけ出せる!」

風太はそう叫んで走り出す。

座敷童子は心配そうに空の手を掴み

「人間……大丈夫?」

と訊ねた。

空は小さく微笑むと、座敷童子の手包んで

「大丈夫よ。ありがとう、座敷童子」

と答えた。

すると付いて来ない座敷童子を心配して、風太が戻って来る。

「座敷童子!何してるんだよ!置いて行くぞ」

風太が叫ぶと、座敷童子が慌てて風太に走り寄る。

「行くぞ!」

風太が走り出すと、座敷童子がもう一度心配そうに空の顔を見た。

空は座敷童子に微笑んで

「大丈夫だから、行って頂戴」

そう答えた。

座敷童子は空に頷き、風太の後を追った。

空は遠くで遠雷が鳴る青空を見上げ

「嵐が来そうですね…」

そう独り言を呟いて歩き出した。

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