第32話 ラララと冒険してみます

が、ラララは荒野で右へ行くとしか言わない。

「右へ行きましょ!」

「お、おう」

俺は素直について行く。

そこへ、多くの綿あめのようなものが現れ、俺たちへ襲いかかる。

「んな!!」

「何なのよっ!?」

綿あめは何だかくっついてくる。

離れない。

「これは!まさか!何か溶かすとか!?」

溶かすとかありそう………て、あれ?

ラララは、一人、地面でワタワタしてる。

「ぬぬう!はなーれーてー!」

何か綿あめに好かれてる。

これは好かれてる。

「好かれてるな」

「はなしてー!」

「あ、ああ」

俺は綿あめに似たカタマリをはずそうと触ってみる。柔らかい。

「柔らかい………」

もちもちしてる。

「ちょっと!何和んでるんとっと!?早くはなしられっと!」

「あ、悪い。柔らかくて………」

俺は少し引っ張ろうとするが。

離れない。

俺はもう一度。

「………………だめだ。諦めよう」

ラララは、地面で言う。

「諦めたらそこで何もかも終わりよ!?」

「何か良いセリフだな……離れないんだよ。きっと好きなんだよ。ラララが」

ラララは、顔を赤くする。

「こ、この私を………そ、そう……ま、まあ、それなら許してあげるわ……でも、離れて!」

綿あめ状のモンスターが外れないため、冒険終了。

綿あめ状は、気がすんだのか離れていく。

それまでは、俺たちは白いわた状態であった。

ラララは、うっうっとする。

手を伸ばす。

「またね。私を好きだなんて見る目あるわー!」

どれほど自分に自信があるんだろ。

ラララって。

明るいな。本当。元気いいし。

「帰るか」

ラララは、「え?」という顔をする。

「ここからが始まりよ!?」

「かえろ!?」

「えー。…せっかくパーティー組んだのにー」

「とりあえず帰ろ」

「ねえユウタ。私泊まる所が、その……ないの。ユウタはどこに帰るの…?」

「俺は屋敷に……」

ラララは俺の服の襟を掴む。

つかむなっ!?

「わ、私もそこに泊まらせてほしいの……!だめ………?」

「え、でも」

「困ってるの………だ、だめ………?」

そんな顔されると

しかも困ってるなら

ミラに話さないと、だよな

「…あ、ああ」

襟を掴まれる。

つかむなって!?

「あ、ありがとう……ユウタ……」

ラララはかわいく笑った。

その顔は…………かわいい……

うう……笑顔かわいいな…………

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