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「気に入った人?」
しゃっしゃっしゃっ
しとしとしとしと
しゃっしゃっしゃっ
しとしとしとしと
『うん。四十代ぐらいの、背が高くて、細くて、茶色の、少し汚れた革靴に、黒色の、所々傷んでる鞄を持った、スーツを着た男の人。几帳面で、神経質で、コインランドリーの柔軟剤みたいな香りがしてると、尚良い』
「やけに具体的だな」
しゃっ
しとしとしとしと
しとしとしとしと
しゃっ しゃっしゃっしゃっ
『記憶の中の、お父さんの特徴だから』
「…どういう事?」
『私が小さい時、出ていったの。その日も、今日みたいに、七つ下がりの雨が降ってた。だから、今日みたいな雨の日は、ここを開けて、何時お父さんが帰ってきても良いように待ってるの。濡れたら、可哀想でしょ』
ー私はね、あなたと違って、
逞しい男の子が欲しかったのー
「どうして、お父さんは君を…」
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