七つ下がり
「なぁ、お前は見た事ある?」
ホームルームを終えた、放課後の教室で、目の前の席に座る友人が、声を掛けてきた。
「……何を?」
「だからぁ、売春してるって噂の女」
どうやら彼は、後ろの方で女子達が話していた噂話について触れているらしい。
「いや、見た事ないけど」
どの手の学校でも、噂話の一つや二つはあるとは思うが、この高校で囁かれている噂は、他に比べて、少し毛色が異なると思う。
良くその噂話を耳にはするが、その真偽を知る者は一人も居ない。
最早、都市伝説のような位置付けだ。
「和樹は見た事あるの?」
「いや、俺もない。だから、今日がチャンスだと思って」
「何で?」
「だって、ほら。今日、これから雨降る予定だろ?」
「あぁ…」
そう言えば、午後四時過ぎには雨が降ると、予報で言っていたっけ。
どうりで先程から、篭ったような鈍い頭痛が、私を襲っている訳だ。
「じゃあ、これからその古民家に行くの?」
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