後日談 第34話 JDと制服

 結局、プロポーズはデズニーシ―で行うことに決めた。


 荻野大先輩の「ふたりの思い出の場所とか、どう?」との言葉に、俺的にはこの場所一択だったわけで。

 灯花がデズニー好きだから、あれから何度もデートで行っているけれど、いざプロポーズするとなると、どんな場所も未開の土地に見えてくる……!


 ネットで園内マップとにらめっこしながら、俺は『その場所』に最適なところを探す。


(やっぱり、初デートにふたりで入ったレストランとかかな? それか、もっとグレードの高いホテルのビュッフェを予約して……)


 ――『ホテル』。


 『……私の初めてを、もらってくれませんか?』


 ついつい思い出してしまって、今でも悶絶をする。


 あのときの灯花ちゃん、めちゃくちゃ可愛かったなぁ……!!


 アレでよく耐えたよ。俺。


「はぁ、はぁっ……灯花可愛かったなぁ……」


「ゆきさん?」


「JK灯花からの誘いとか、断れる男いねーよぉ……俺以外」


「おーい、ゆきさん?」


 ――ハッ!


 パタン! とPCを勢いよく閉じて振り返る。


「お、おかえり灯花! いつの間に!!」


(見られた? 見られた……?)


 デズニーシ―以外にも、別窓で指輪のページとか、開いていなかっただろうか……?


 どぎまぎと冷や汗をかく俺の頬を、滑らかな指先がぷにっとつつく。


「……今の私じゃあ、ダメです?」


「へ……?」


「昔の……JKの頃の私の方が、好き?」


 どうやら独り言を(息を荒げていたのも含めて)聞かれていたらしい。

 ぷくーっと頬を膨らませた灯花ちゃんが、今日も超絶可愛いです!!

 一生手放したくない!!


「俺は今の灯花も昔の灯花も好きだよ!」


 PCをこそこそと隠しつつ開き直ると、灯花は大学の鞄をおろして、カーディガンを脱いで。こげ茶の髪を揺らしながら、するりと首筋に抱き着いてきた。

 俺のあぐらの中にすっぽりと収まって、耳の蕩けるような甘えた声をだして……


「じゃあ今日は、制服プレイでもしちゃう……?」


「!」


「久しぶりに着てみようかな、聖セーラのセーラー服♡」


 んふふ♡と吐息たっぷりに微笑む俺の天使が、小悪魔で……!

 お清楚な見かけによらず、夜は結構積極的で……!


「大好きです」


 俺は、真顔で鼻血を出しかけた。

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