一章・マリンレイの森3

 とにかく、素早く街へ向かい1000マリンの所持金を持参して、買い物に向かう。


 住民登録とかは特に無いが、引っ越しの挨拶が必要になる。


 だから、一応長がいる雑貨屋に挨拶に行く。


 城もあるが、今は王族が住んでいないただの観光スポットの城だ。


 雑貨屋に入るとカウンターには背中が丸まったおじいさんが一人でいた。


 彼が長のクロックさんである。


 クロックさんは、レモネードが居ない時に店番をしている。


 いつもはのんびり屋のレモネードが居るのに、誰かの家に遊びに行ってるのかな?


「はじめまして、街の外に引っ越して来ましたアカリです」


「あなたがアカリ殿ですじゃ、ほう、うちの孫娘と仲良くしてやってくださいですじゃ」


 この人はナントカですじゃというのが口癖らしい。


「はい、ところでその孫娘さんに会いたいんですけど、どこに行かれたのですか?」


「ああ、ダンジョンが怖い〜と嘆く旅人と共にダンジョンにいっとりますじゃ」


 旅人よ、ダンジョンが怖いとかどうなんだよ。

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