一章・マリンレイの森2

 しかし、私の家に今はキッチンはない。


 料理ができないのである。


「出荷箱に入れておくほかない」


 ダンジョンに行く前に、私はワカメとモズク、昆布をとにかく出荷箱に入れておいた。


 今は朝だが、18時頃になると雑貨屋さんの娘であるレモネードがとりにやってくるのである。


 レモネードと名付けられたこともあり、彼女の髪も目もレモン色だ。


 自宅から街の中へ行くのは一本道、とにかく西に向かうのみだ。


 畑を通過して行くというだけなので、別に長い間歩くわけでもない。


 ここが初期プレイヤーの家で、ダンジョンの攻略が進むと引っ越しできるようになるのだ。


 私はイージープレイヤーだからもちろん、移住はしなかったが。

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