第6話

「うう、ちび……」


 家主の娘はひとしきり泣いて落ち着くと、再び材料を用意した。

 こんどこそ、本物のなめくじくんを捕まえようと決意を新たにするのだった。


 数日待って雨の日になると、台所の窓を開けて外を覗き込んだ。


 すると、そこにはなめくじくんが大量に集まっていた。


「ひぇっ」


 慌てて窓から離れると、もう一度、恐る恐る窓の外を覗いてみた。


 わらわらわら


 ぱっと見て、なめくじくんは10匹程いるようだ。


「これだと、どれが“ちび”か分からないね」


 家主の娘は庭に出てなめくじくんを全て確保すると、一匹ずつ確かめていった。

 しかし、“ちび”の言葉に反応するなめくじは見つけることが出来なかった。

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