第10話
10月11日の朝10時半頃のことであった。
きよひこが暮らしていた家の前に、不動産屋さんの車両と黒のトヨタイプサムが停まっていた。
家を購入したいと言うご家族一組が不動産屋さんと一緒に家を見に来ていた。
きよひこの家は、犬山で暮らしているきよひこの姉夫婦が家のローンを清算するために裁判所に破産宣告を申し立てたあと名古屋市内の不動産屋さんに買い取られた。
きよひこの両親は、姉夫婦が暮らしている犬山ヘ移ることになった。
しかし、よしえがぐずぐずぐずぐずとしていたので、きよひこの姉が『どーにかしなさいよ!!』と激怒した。
話し合いは、きよひこの両親が暮らしている側の住居の居間で行われた。
居間に、きよひこの両親ときよひこの姉夫婦と姉ムコのイトコ(男性・知的障がいがある・無職)がいた。
話し合いはしていたが、きよひこの姉が一方的に怒っていたので停滞した。
「あのね!!この家はよその家になるから犬山ヘ移ることになったのよ!!決まったものは変更できないのよ!!」
「わしらは、拒否していないよ〜」
「だったら、すぐにここから出発してよ!!」
きよひこの姉がメイレイ口調で言うたので、きよひこの父親がブチ切れた。
「(きよひこの姉)!!うつけ者!!」
うつけ者呼ばわりされたきよひこの姉は、思い切りブチ切れた。
「何よあんたは!!」
「ふざけるな!!なんでワシらに前もって相談しなかった!?」
「おとーちゃんとおかーちゃんがなーんも言わないから、こっちで処理するしかなかったのよ!!」
きよひこの母親が、悲痛な声できよひこの姉に言うた。
「それはいくらなんでもあんまり過ぎるわよ!!」
「ふざけるな!!あんたらがむだ遣いするだけむだ遣いしたから家庭(いえ)が壊れたのよ!!親類の家の子どもらのせいで、うちらきょうだいが不幸になったのよ!!あんたらがうちらの学資保険を勝手に解約したせいで大学に行くことができなかった…あんたらに仕返しするためにこの家と家庭をぶっ壊した!!…次は、あんたらの親類の子どもらの人生を奈落の底へ突き落とすわよ!!一番幸せにイッパイの(男の子・市役所職員)ちゃんの3人のガキ(上の女の子・大学生、下の女の子・お上品な女学院生、男の子・小学生)から奈落の底へ突き落とすから…場合によっては、一家全員を殺すわよ!!」
「なんだと!!オドレ殺すぞ!!」
きよひこの姉から親類のオイゴメイゴたちを殺すぞとおどされたきよひこの父親は、思い切りブチ切れたあと破壊力の強いハンマーを持って攻撃した。
「オドレ(きよひこの姉)!!」
「何するのよ!!」
「よくもワシのかわいいオイメイをブジョクシたな!!」
「なによあんたは!!」
ブチ切れたきよひこの姉は、ナヤにかけこんだあとナタを取り出した。
その後、父娘が凶器を振り回して暴れだした。
それから数分後に、区の社会福祉協議会の職員さん数人が乗っている車両とリサイクルショップのトラック2台が家の前に到着した。
まず、区の職員さん数人がきよひこの両親のもとへ行って『施設へ行きましょう…』と説得しに行こうとした。
この時、きよひこの父親が区の社会福祉協議会の職員さんひとりの頭をハンマーで殴りつけた。
「グワッ!!」
「大貝さんやめてください!!」
「オドレぶっ殺してやる!!」
きよひこの父親にハンマーで殴りつけられた職員さんが殺された…
職員さんのひとりが外に出て助けを求めに行った。
その間に、リサイクルショップの従業員さんたちが家の中にある家財道具全部を強制的に運び出していた。
この時、きよひこの父親が『何しやがる!!』と叫んだあとハンマーで若い男性従業員さんの頭を激しく殴りつけて殺した。
その後も、きよひこの父親が暴れ回った。
それから数分後に、愛知県警のパトカー一台がけたたましいサイレンを鳴らしながら現場に到着した。
この時、きよひこの父親はパトカーのボンネットに上ったあと奇声をあげながらフロントガラスをハンマーで叩き割った。
(ガシャーン!!ガシャーン!!)
そこへ、し烈な叫び声をあげているきよひこの姉が刃渡りの鋭いオノを持ってやって来た。
「ワーーーーーーッ!!」
そして次の瞬間…
きよひこの姉は、父親の首をオノではねた。
その時によしえが家から出てきた。
きよひこの姉が父親のクビをオノではねた現場をじかに見たよしえは、し烈な叫び声をあげた。
「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!」
それから1時間後…
きよひこの姉は、殺人罪でケーサツに逮捕された。
きよひこの母親は、それから数日後に老健施設ヘ強制的に移された。
行くところと帰るところをなくしたよしえは、救いを求める形で昔お世話になったナイトクラブのママが暮らしている豊橋へ行くことにした。
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