第3話 私は先輩が心底好きなので
怖いってか.....まあその。
リリカちゃんが怖い訳じゃない。
何が怖いのかといえば.....そうだな。
今の状況が万が一にバレてしまった場合。
誰が責任を取るのか、という感じで怖いのだ。
なので俺は眉を顰めてから日常を過ごしている。
その日俺は.....リリカちゃんにキスをされてから。
自室で考え事をしていた。
この先どうなるのだろう、という感じで。
「正直止めさせた方が良い気がするが。人質に.....取られたしな」
俺は思いながら首をブンブンと振ってから。
そのまま勉強に集中し始めた。
今度はテストもあるのにこれは駄目だ。
こんな事で集中力を切らす訳にはいかない。
俺は考えながら.....教科書を見ていた。
「.....やれやれだな。全く」
そう呟きながら問題を解いていく。
そうしていると.....メッセージが入って来た。
俺はまたビクッとしたが。
今度は友人の永光拓人(ながみつたくと)からだった。
拓人は、羨ましいのう。全く、と送ってくる。
(姉妹丼とかマジ羨ましい)
(お前馬鹿か。そんなんじゃねぇっての)
(違うのか?美女姉妹だぞ。それだったら寝取り放題だろ)
冗談でも止めて頂きたい。
俺は今そんな状況に置かれているので、だ。
事実上、であるが。
思いながら顔を引き攣らせつつ返事を書く。
(良い加減にしろ。悪く言うなら縁を切るぞ)
(すまん。冗談だ。でも羨ましいよなお前。何だかラブコメの主人公っぽい感じだ。羨ましい。でもおめでとうだな)
(有難うな。拓人。お前に関しては感謝がある)
(そりゃまあ告白の舞台を用意したのは俺だしな)
(感謝しろってか。ジュースで良いか)
(1年分な)
金がねぇよ、と苦笑気味に返事をする俺。
すると拓人は、そういやリリカちゃんは誰とも付き合ってないのか?、と聞いてくる拓人。
俺はビクッとしながらも、そうだな、と返事を書く。
まさか俺と付き合っている(強制)とは思わないだろうしな。
思いながら俺は冷や汗を流しつつ返事を待つ。
(しかし何だかミステリアスだもんな。あの子)
(そうだな。実際の所はそんな感じだ)
(エッチな事とか興味無さそうな感じで怖いし)
(そうだな。まあ確かに)
いやそれは嘘だ。
明らかにエッチな野郎だアイツは。
信じられない事をしている。
そして俺のファーストキスまで奪った。
それを考えると最悪だ。
と思いながらベッドに腰掛けて俺はメッセージを打つ。
(エッチで思い出したけどめっちゃエロいぞ。今回のビッグマズンガ)
マズンガとは任期の週刊誌である。
大人向けの感じになっている。
グラビアアイドルがそこそこの下着姿で大人向けに写っているのでそりゃエロい。
俺は思い出しながら少しだけ赤面してから。
そのままマズンガの内容を語る。
(そうなんだな。えっと確かあのラブコメも最終章だったよな)
(そうそう。それも良いけどグラビアの雛ちゃんエッロだぞマジ)
20だろ?マジに暴走しちまうわ俺の下半身が、と書いてくるボケナス。
苦笑しながら俺はメッセージを見る。
俺は雛ちゃんの事を思い出して赤面する。
リリカちゃんに似ているのだ顔が。
つまり本当の美少女である。
(何だか夢が叶うならリリカちゃんと付き合いたいなぁ)
(そうか。お前なら頑張れば大丈夫じゃね)
(他人事みたいに言いやがって貴様は)
(だってそうだろ。俺は既に付き合っているしな。幼馴染の女の子と)
(殺すぞハゲ)
(やってみやがれコラ)
そんな会話をしながら寝そべる俺。
そうしていると電話が掛かってきた。
それは.....リリカちゃんだ。
俺は青ざめながら飛び起きる。
それから電話に出る。
『こんばんは』
「.....何か用かな?リリカちゃん」
『はい♪今ですね。トイレに居ます』
「.....そうか.....え?」
『先輩って女の子のおしっこ音とか好きですか?』
良い加減にしてもらいたい。
俺は思いながら、あのな、と言い聞かせるが。
ジョボジョボと水音がした。
つまり.....本気で用を足している様だ。
俺は真っ赤に赤面する。
『エヘヘ〜。先輩のエッチ』
「.....お前.....男って獣って知ってる?マジに」
『はい。知ってます。だから先輩の性欲を浮かび上がらせています』
「.....」
舌舐めずりをする。
唇が思いっきり乾燥してきた。
それは興奮しているとかではない。
コイツが.....滅茶苦茶で怖いから、だ。
「とにかく。トイレ中なら切るぞお前.....」
『えっへへ〜。先輩って何処までまともでいられますかね』
「.....それはどういう意味だ」
クチュックチュッと音がした。
何をしているのか、と思ったが一瞬にして悟った。
この馬鹿.....まさか、と思いながら、だが。
つまり◯ナニーをしている!?
『先輩。私は濡れやすいって言いましたよね.....ん.....』
「切るぞマジに」
そしてブチッと切る。
これ以上話していると.....、と思いながら下半身を見る。
そこには勃っている、それ、があった。
俺はバァンとスマホを叩きつける。
クソめ!、と思いながら。
「.....こんな事で興奮するんなんて.....最低だ.....萌香に申し訳ない.....」
そう思いながら。
俺は何とか鎮めた。
もう出るまい電話には。
誓いながら、だ。
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