第2話 狂気の感情と自らの彼女と

同罪、という言葉が頭の中を巡り巡っている。

俺はその言葉に汗をかきながら。

そのまま自宅に帰る。


すると妹の葛葉が俺の元にやって来た。

中学3年生の.....受験勉強真っ只中の少女だ。

顔立ちはそれ相応に整っている母親譲り。


「どしたの?兄。顔酷いんだけど」


「.....いや。何でもない。すまない。ちょっと小便を我慢していてな」


「ああ。それで。膀胱炎になるよ?」


「そ、そうだな」


当然ながらそれは嘘だ。

先程の.....リリカちゃんの.....件が頭を巡っているだけだ。

俺は唇を噛む。


何というアホなのだろうか俺は。

キスをされてしまったから.....と言って。

付き合いを認めるという裏切る様な行為に及んでしまい反省しか無い。

やはりこの関係は終わらせるべきだ、と思うが。

リリカちゃんは脅しの手札を持っている。


「.....どうするべきか」


俺は考えていると。

スマホにメッセージが入って来た。

俺はビクッとしてトイレに入ってからそのまま受信トレイを見る。

そこには.....リリカちゃんからメッセージが。


それに加えて添付ファイルが。

何だ?、と思い開いてみると服を着てない胸の写真だった。

つまりおっぱいの写真である。


俺は愕然として、何を送って来てんだよ!、とメッセージを送る。

すると、先輩。私の胸って大きいですか〜?、とメッセージ。

俺はボッと赤面する。

こ、コイツ!、と思いながら、だ。

そしてメッセージを送る。


(ふざけるな。こんなもの見られたらどうする気だよ。萌香に)


(無いですよ。先輩が守ってくれれば。萌香お姉ちゃんで抜けないと思うのでオ◯ニーのおかずにでもして下さい)


(お前。まあ良いや。えっとな。話がある)


(はい。何でしょう)


(やはりこの関係はマズイと思う。絶対に全てが壊れる。だから止めよう)


言いましたよね。私は奪い返すまで止めないって。

それはつまり.....お姉ちゃんが壊れても止めないです、と言ってくる。

こ、この化け物.....!、と思いながら返事を打つ。

それから送信した。

顔を歪めながら、だ。


(お前は間違っている!全てが!)


(私は間違いなんて元から認めています。この間違いは歪みますよ)


(いやサイコパスかな?お前さんは)


(私は貴方が一緒なら何でもやれる気がします)


コイツ俺の話とかそれ以外の話を全然聞かねぇ。

俺は思いながら目の前にあるカレンダーとかトイレットペーパーを見ながら頭を抱えてから。

そのまま文章を打つ。

それから送信した。


(お前な。本当に良い加減にしろ。絶対にヤバいからなこれは)


(私は気にしません。全然気になりません。貴方が居るから)


狂気に満ちている。

俺は思いながら唇を噛む。

それから溜息を吐いていると。

何なら貴方には性器の写真を送っても良いですよ?恥ずかしいですけど、と送って来はじめた。

俺は、駄目に決まっているだろ、と言い聞かす。


(そんなもの受け付けない)


(何故ですか?最大の◯ナニーのおかずでしょう?スリルのある野ションでも良いですよ?やってあげます)


(お前、頭おかしいんじゃないか?本当に)


(私は貴方が全てですからねぇ)


マジに言葉が出ない。

俺は赤くなりながら唇をぎりぎりと噛む。

血が出そうなぐらいに、だ。


それから溜息を吐く。

そして顔を上げると.....電話が掛かってきた。

それは.....萌香だ。


『もしもし?』


「お、おう。どうした。萌香」


『いや。何だか話したくなったから』


「そうか。じゃあ何を話す?」


『うん。えっとね.....じゃあしりとりしない?』


しりとりって本当にコイツは。

リリカちゃんとはえらい違いだな。

俺は思いながら、じゃあ先ずは.....、と発してからしりとりを始めた。


それから暫く会話していたが。

頭の中にリリカちゃんの言葉とかが残ってしまい。

殆ど集中出来なかった。

これも作戦のうちだったらヤバすぎるんだが。



『あー。面白かった。次何しようか。私.....家に行きたいな』


「そうだな。じゃあ明日でも来たらどうだ」


『そうだね』


「おう」


そんな会話をしながら階段を上がってから自室に入る。

それから通話で話していた。

すると萌香は、ねえ。裕樹。私って本当に幸せ者だよね、と言ってくる。

だって私.....好きな人と恋人同士なんだから、と。


『リリカも幸せに歓迎してくれているしね』


「.....そ、そうか」


『?.....どうしたの?』


「.....何でもない」


この今の関係を話せば楽になるだろう。

しかし全て壊れるだろう。

思いながら俺は心の中の天秤を傾けていた。

マジに困ったもんだな、と思っていると、そう言えば、と声が。


『リリカも一緒に行きたいんだって。君の家。良いかな』


「.....え.....ああ.....うん」


『じゃあ決まりだね。勉強会でもしよっか。後の方で期末考査もあるしね。小テストがその前にあるし』


「.....」


喉の奥に出ているのだが悲しい。

何も言えないのが、だ。

複雑だが.....どうしよう、と思う。


だが言えない。

言っちゃ駄目だこれは。

思いながら俺は.....ドロドロの3角関係の事を想像してから。


そのままリリカちゃんのやった事を思い出してみる。

畜生.....塗り替えられていく。

リリカちゃんの狂気の感情の色に染まる.....。

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