5 オフの日

(01)

「お疲れ!」

「おつかれさま!」

「お疲れ様でーす!」


 今日は『女子会』

 幹事は吉田。参加者はつばさ、西谷、そしてそれぞれの仲のいい同期や先輩が数人集まった。

 女性が少ない職場の女子会は、情報交換やストレス発散に最適だ。


 今日の宴会場は、お洒落なラブホ……


「こんな可愛いとこあるんですね!」


 無邪気につばさが放った言葉。それは参加者全員の視線を一斉に集めた。


「つばささん!?」

「ちょっとちょっと、岩井! 彼氏とどこ行ってんの?」


 落ち着き払って、つばさは対処する。


「彼氏とは行ったことないです。仕事です」


 本当の話だった。和義にホテルに連れ込まれたことはなかった。健全なお付き合い。


「張り込み?」

「尾行?」


「はい。そういうのは、古くて汚いとこばっかりなので……」


「……その相手って、選べるんですか?」


「うん。でも、基本ペアの子。気心知れてる方がいいし」


「でも、いいなー。三宅班ってイケメン選び放題だし」


「ですよね! 上長、三宅さん。ペア、佐藤くん。同期、茂山さん。全員男前!」


「玄さんは?」

「あれは優しいおじさん枠」

「いいな、イケメンの巣窟、羨ましい!」


 あっという間に話題は移り変わってゆく。

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