(05)

 つばさが女に職質し任意同行させ待機している三宅たちに身柄を渡した頃、


店内では男が連れの女が戻らないことを気にし始めた。




 茂山が行動開始を伝えた。西谷は店内の客の混乱を防ぐため、与晴はホシの逃走阻止のため、身構えた。




「……すみません。少しお話しよろしいですか?」




 『自称』爽やかな笑顔で茂山が近づくと、ホシは顔色を変えた。




「……なんですか? てか、誰?」




 こう言うものですと警察手帳をスッと見せた途端、逃げた。




「クソっ!」




「逃げたらダメですよ」




 与晴が立ちはだかり、逃走を阻止する。




「あの女、俺を騙したな!?」




 与晴の静止を無視して、男は店の入口へ。


 しかしそこには戻ってきたつばさが立っていた。




「あの女性は、先程任意動向してもらいました。


あなたのことは一言も言っていません。


ですから、あなたも大人しく……」




 警察に囲まれていることを知った男、目の前のつばさも警察の人間だと気付くとやぶれかぶれか、つばさに向かって拳骨を繰り出した。




 つばさはそれを交わし、男をすぐに捕縛した。




「離せ! この野郎!」




 つばさは怯まない。




「公務執行妨害つきますよ」




 しかし、男は言うことを聞かず、つばさの捕縛から力づくで抜け出ようとした。


 技では勝てるが力では負ける。すぐに与晴が来た。




「代わります!」




「ありがとう、お願い」




 つばさより柔道は弱いが警察官だ。一般人よりは断然強い。


 押さえつけた後、茂山が手錠を掛けた。




「はい。21時35分、公務執行妨害で逮捕」

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