(02)

 つばさの仕事を、マジックミラーの窓から三宅と吉田がずっと見ていた。




「……腕が上がってきたんじゃないかな? どう思う?」




「はい。おっしゃる通りかと思います」




「まだ伸びるよな?」




「そう思います。被害者に寄り添いたいという岩井本人の気持ちが強いですので、様子を見ながらもっとスキルアップさせようと思っています。


経験を積ませるために、他署の要請も受け入れています」




 三宅は苦笑いして言った。




「……岩井の技量が上がるのはいいが、犯罪は多く発生してもらったら困るな」




 吉田も苦笑する。




「そうですね」




「……こういう聴取は俺たち男には正直言って難しい。だからこそものすごく心強い」




「ありがとうございます」




 三宅は最後まで真面目に話した。




「最大の目標犯罪撲滅のため、引き続き指導をよろしくお願いします」




「かしこまりました」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る