猫の島と不思議な小石
その島には人が住んでいない。
島の主は猫たちである。
とは言っても、人が全く訪れないわけではない。
時々小舟を漕いで釣り人がやってきては、思い思いの時間を過ごしている。
そして釣り人が釣り上げた魚を猫たちは分けてもらっていた。
もちろん、猫たちもただでご馳走をいただいているわけではない。
どうやら島の奥、人の立ち入れない領域に不思議な色をした小石の群があるようで、猫たちはそこからひとつ釣り人のもとへ持ってきては、ことん、と置いていくのである。
特別な素材でできているわけではない普通の石のようだが、その石を持って舟を漕いで帰ると、波が穏やかになり安全に岸へと辿り着けるのだ。
もしかすると、島の主のみ知り得る秘密があるのかもしれない。
しかし、人間たちに知る術はないのだった。
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