死体と僕

@mohoumono

第1話 死体と僕

僕は、余命を宣告され

病室のベッドに寝転がっている。

そして、寝たふりをする。

目を瞑り、息を潜め

自分が死体であるかのように振る舞う。

なぜなら、

ここは葬式会場でもあるのだから。

扉が開く音が聞こえ、

足音がこちらに近づいてくる。

あるときは、杖の音共に

あるときは、車輪の音共に

あるときは、子供の泣き声と共に

あるときは、紙の音共に 

あるときは、花の音共に

そして、椅子に座り

元気そうなのにねと一言言った後

泣いて、泣いて、泣いて、泣いている。

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