第9話 獣人の子とデート
今日はニーナちゃんとお出かけする日だ。
ニーナちゃんがテストで満点を取り、ご褒美を聞いたらものすごい勢いで頼み込まれ承諾してしまった。
約束してしまったものはしょうがないから、ニーナちゃんとのデートを楽しむとしよう。
待ち合わせ場所に着くとすでにニーナちゃんが待っていた。
僕を見つけると小走りに駆け寄ってくる。
今日の服装はカジュアルにTシャツと短パンという格好をしていた。
元気なニーナちゃんにはとても似合っている。
胸が大きいからTシャツの胸の部分が凄い事になってる……
そんなことを思っているとニーナちゃんが僕の手を握ってきた。
突然の出来事に驚くが手を離そうとはしない。
だって可愛い子が相手だし、なりよりニーナちゃんが凄い嬉しそうだったから。
それから二人で映画を観に行く事になった。
上映中暇だろうからとニーナちゃんが飲み物を買ってくれた。
喉が渇いていたから助かる。
お礼を言って受け取ると隣に座っている彼女が顔を近づけてくる。
どうしたんだろう? そう思った時、唇を奪われた。
突然の事で思考が追いつかない。
ただ、彼女の柔らかさと甘い匂いに酔いそうになる。
しばらくしてからようやく状況を理解した僕は慌てて離れようとするが、彼女は逃がさないとばかりに腕に抱きついてくる。
そのせいで余計に柔らかい感触が強く伝わってきた。
これはまずい……
なんとかして引き剥がそうとするが、上手くいかない。
すると今度は舌を入れようとしてきた。
流石にそれはダメだと拒むと諦めてくれたようだ。
ほっとしたのも束の間、今度は耳に息を吹きかけられた。
くすぐったくて変な気分になる。
その後、耳元で囁かれた。
「せんせー大好きですよ♡」
ドキッとする。
普段とは違う呼び方で呼ばれて、つい反応してしまう。
それから何度も好きだと言われたけど、何とか平静を保ったまま映画館を出る。
まだ少しドキドキしている。
「せんせー、この後どこ行きましょうか?」
「うーん、そうだね。特に決めてなかったけど、何か食べたい物とかある?」
「じゃあクレープが食べたいなー」
それなら近くのデパートにあるフードコートに行こうという話になった。
早速、移動を開始する。
その間、ずっと手を繋いでいた。
やっぱり小さい子の手って柔らかくて温かいなぁ。
それにすべすべしてる。
緊張してるのか、さっきから心臓がバクバクしてるよ。
「せんせー何味がいいですか?私は苺にします」
「僕はチョコでいいよ」
「わかりました。買ってくるので座っていてください」
「うん、ありがとう」
僕達は空いている席を見つけて腰掛ける。
「はい、せんせー」
「いただきます」
渡されたクレープを一口食べる。
うん、美味しい。
「せんせ、一口もらってもいいですか?」
「別に構わないよ」
「やった!では、失礼します」
そう言うとニーナちゃんは僕のクレープを食べ始めた。
なんだこれ……恥ずかしい……
「ふふっ、間接キスですね」
「そういうこと言わないで……」
「えへへ、ごめんなさい」
楽しそうな笑顔で謝られる。
全然反省していない気がする。
「でも、本当に嬉しいです。こうして一緒にご飯を食べるなんて夢みたいです」
「大袈裟だよ。」
「いえ、そんなことはありません。だって私にとって先生は初めて出来た好きな人なんですから!」
そんなこと言われると照れてしまう。
僕にとってはニーナちゃんは妹みたいな存在だからなぁ。
「これからもよろしくお願いしますね、先生」
「こちらこそよろしくね、ニーナちゃん」
その後は適当にぶらついたり、ゲームセンターで遊んだりした。
クレーンゲームの景品が取れなくて悔しがったり、プリクラでふざけたり、
パンチングマシーンではその小さい体からは信じられないスコアを出していた。
「見ましたか先生!よゆーで先生に勝っちゃいましたね!」
「すごいね。ニーナちゃん」
「獣人ですからね。力では誰にも負けませんよ!先生に何かあったら頼ってくださいね。すぐに助けてあげますよ!」
得意げな顔で胸を張るニーナちゃん。
揺れている。
おっぱいがバインと跳ねた。
凄まじい破壊力を秘めているな。
「せんせー、今エッチなこと考えてませんでした?」
「え!?いや、そんなことはないよ」
「本当かな〜怪しいぞ〜」
ジト目で見られる。
勘が鋭いな……
「まあいいでしょう。それより次は何しましょうか?」
「うーん、そろそろ帰ろうか。もう遅いしね」
外を見るとすっかり暗くなっていた。
楽しい時間はあっという間に過ぎていくものだ。
名残惜しいけど今日はこれくらいにしておこう。
「そうですね。今日は凄く楽しかったです。またデートしてくれますよね?」
上目遣いで聞いてくる。
あざと可愛い。
「また勉強頑張ったらね」
「約束ですよ?絶対ですよ?もし破ったら許さないですからね」
「大丈夫。僕はニーナちゃんとの約束を破らないよ」
「良かった。じゃあ帰りましょう」
僕達は帰路についた。家に着くと僕は部屋に戻る。
そしてベッドに倒れ込んだ。
はぁ……疲れた……
肉体的には問題ないが精神的にはかなり消耗していた。
今日の出来事を思い出す。
まずはゲームセンターで遊んだ時も胸が凄い揺れてて見ちゃいけないのについ見てしまった。
それに映画館での一件だ。
あれはヤバかった。
まさかキスされるなんて思わなかった。あの時は頭が真っ白になって何も考えられなかったな。
本当に申し訳ない。
なんであんなことをしてきたのだろう……
きっと意味はないのだと思う。
彼女は子供だし、恋愛感情とかではないはずだ。
そう考えるとちょっとだけ寂しく感じてしまう。
確かに疲れたけど、元気なニーナちゃんから暖かい何かを貰っていた
私はせんせーの家の前で立ち尽くしている。
せんせーと別れた後、体が勝手に先生の後ろをついて行ってた。
私は自分の部屋に閉じこもり、せんせーにした事を思い出していた。
唇にはまだせんせーの感触が残っている。
キスなんて初めてだった。
せんせーの顔が頭から離れない。
私はせんせーが好き。大好き。
ずっとずっと好き。
せんせーのことが大好き。
私はせんせーの事をもっと知りたい。
私はせんせーの事が好きだ。
せんせーの全てが欲しい。
私はせんせーに抱きついて、耳元で囁いたときの事も思い出す。
せんせー大好き♡って言った時に、体が熱くなった。
心臓が激しく鼓動する。
体中から汗が出るほど暑い。
せんせーはどう思ったかな? 私に告白されて嫌な気持ちになっただろうか……? わからない……
不安になる。
でも、後悔はしていない。
私はせんせーが好きだ。
それは変わらない。
だからこの想いは絶対に伝えようと思う。
断られたらその時はその時だ。
とにかく今は行動あるのみ! 明日からも頑張るぞ! えいえいおー!
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