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学校をでて潮風を切る。
激坂を披露山のてっぺん、海の見渡せるヤンんちのアパートまで一気に駆け上がる。
「はぁ、はっ、」
披露山につづく坂はリレーアンカーのぼくでも、爆走すれば脚がガクガクする。ハルカと、ハルカに引っ張られてシュウもやっと追いつく。息絶え絶えに…、
「期待通り」
…え?
知った声に顔を上げる。
「まってた、」
予想しない展開に一瞬、思考がとまる。
だれからの目も避けるみたい、蔦に覆われたアパートの前には、
「おじさん、」
パパの友だち、お巡りさんが、柄の悪い笑顔で立っていた。
「のりな、」
て、よこに待機している『廃車だよね?』て、潮に錆びたビートルをたたく。
「ヤンに、あわせてやるよ」
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