🦈
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「うぅ、酔いそう…」
「フウ、オレのひざの上に、」
「と、ゆうことは、あの、あ、安全、安全運転、をっ」
「はは、安全、安全、チョー安全。おにいさん、パトカー運転するんだぜ?」
部品がひとつふたつかけてんじゃないかってご老体ビートルを、お巡りさんは巧みなハンドル捌きとブレーキングで走らせる。
体感速度は二〇〇キロごえだ。
きっと、速度違反か事故かでヤンにはあえない。
しかも、
「おじさん、なんなの? あの車!」
逗葉新道に入ったところで、いかついハイエースがぴったりぼくらにくっついていた。
「パスポート職人さんだな」
「そんな職人あるの?」
「大丈夫、おにいさんの友だちだ」
「ぜんぜん大丈夫じゃないよ」
「…フウ太、おにいさんのことなんだと思ってんの?」
「悪い人だと思ってるよ」
ビートルはそのまま第三京浜に合流して、ハイエースもついてくる。
「まずいですまずいですまずいです!」
身体ごとうしろを向いてハイエースを気にしていたシュウが叫ぶ。
「あは、」
お巡りさんもミラーごしに確認したのか楽しそうに肩を揺らした。
ハイエースの助手席から男が身をのりだして、その手には、
「銃だ! フウ! 伏せて!」
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