第13話 はなし

あれから少し悩んだけれど、結局ありのままに全てを話すことにした。

神様を名乗る者に異世界に連れていかれたこと、そこでいままで過ごしていたこと。そこで王様のようなことをすることになったこと。

最初は信じがたそうに聞いていた三人だったけど、魔法を見せると受け入れてもらえた。


「まさか、そんなことになっていたなんてな」


「よく無事だったわね」


「だから髪が白くなっていたのか?」


「えっと、これは······」


心配するだろうと思って言わないようにしていたけど·····この際全部ぶっちゃけちゃった方がいいかと思い直し言った。


「竜と戦った時に···その死にかけまして、それで·····」


「「「なっ!?」」」


三人が目を剥いた。

凄い剣幕で迫ってきた。


「聞いておらんぞ!?」


「一体どうしたらしにかけることになるの!?」


「ほんとのほんとに大丈夫か!?」


「だ、大丈夫です。もうなおったから!」


「治ったからいいという問題ではありません!!」


「で、でもーーー」


「でももなにもありません!!」


その凄まじさに思わずのけぞった。

ド正論過ぎて何も言い返せない。

確かに怪我をおったのはわたしの力不足だったし、怪我をおったのは消せない事実なのだから。


「うう、わたしの修行不足でした·····」


「そういう問題じゃない·····」


はあ、とお祖父様がため息をついた。

全く、どこで教育を間違えたのか·····とわたしに聞こえない声量でぼやいていた。


「まったく、だからいつもいつもーーーーーーー」


その間わたしはお母さんの口撃にズタボロにされていた。


「うう······」


ようやくそれが止んだのは30分後だった。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「は~幸せ~」


一時間後。

わたしは近くのスイーツ店のパフェを食べていた。

異世界では流石に地球ほどのスイーツはなかったので、せっかくだからとあまり口にしていなかった甘味を食べに来ていたのだ。


「ん〜〜!!やっぱり甘いものは最高ね〜」


お祖父様から毎月もらっていたお小遣いは額がというより桁が違うので、金銭感覚を守るため、できるだけ手を付けないようにしていたけれど、こんな事もあったのでもういいかと思い直し解禁していた。

よって、今のわたしの財布は無敵だった。

うっとりとしながら次々に口に運んでいく。

最終的に3つ完食した。

その後はいくつかの宝飾店を覗き、黄金や銀、宝石を購入した。錬金術を使うための素材にするためだった。

その場で受け取れない分は後で家に届けてもらうこととなった。


「さて、と。何を作ろうかな」


金も銀も比較的に魔力を流すものなので中級クラスの魔導具ならば作れる。宝石もその宝石が持つ意味と同じ魔法を込められると効果が上がるのだ。

頑張れば上級クラスのものも作れるだろうから、とまずは銀とガーネットを取り出し、並べた。

ペンダントをイメージして魔力を流し、整形、加工していく。

ものの十分ほどで出来上がり、中心のガーネットに魔力付与を行う。


「よしできた」


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

守護のペンダント

• 自動防御(結界型)

• 自動治癒(中)

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「なかなかかな」


上級クラスにはなるだろうか。ありあわせ材料にしては結構な作品である。

この日は結局、上級クラスの守護のペンダントが3つ、中級クラスが10ほど。

腕輪などは、7つほど中級クラスのものを作った。

それらを机に置くと、ソファーにフラフラと寄ると白みだしていた空を尻目に倒れ込むようにして眠った。

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