話外 女王アベルはえっちな匂いを嗅ぎたい 前編
私がクリエイトしたエメス星の住民が、酷いことになっているのはご存知の通り。
住民、みんな、幼女。みーんな、ようじょです! おはようじょー!!
ちんまい子たち。平均身長120センチくらい。お子さまボディの可愛い子たち。
しかも合法ロリ。コレ、重要。ホント重要。児ポとは無縁の世界。
なんせ中身はヒトではなくて、私が造物主のゴーレムたちだからね!
そう、元々は無骨とコミカルを足して二で割ったようなゴーレムだったのよ……。
当初のデザインは60年代アメリカンテイストロボット。日本での昭和時代のおもちゃ屋で見かけるアイツ。背中部分のゼンマイを巻いてウィンウィン歩くアレ。
私が期待したのはこのアメリカンテイストロボスタイルから世代を重ね、情報を伝達し、改良、または淘汰の末に独自進化を遂げていく様子を観察することだった。
だけど。
うまくいかなかった……と、造物主の私がこれを言ってはいけないね。
うん、ちょっと反省。
ともかく、思惑通りにはいかなかった。
しかしがっかりしないでほしい。これはこれで目に優しいから。
見た目が幼女型のゴーレムは、それなりに可愛いっちゃ可愛いのだった。ゴーレムたちの女王、アベルが日夜研究し、完璧(なロリっ子)を目指しているから。
所作はちゃんと幼女。丈の短いスカートでぴょんぴょん跳びはねたりするよ。
ちらっ、ちらっと見える幼女ぱんつとかもはやレジェンドロマンでしょ? 思うがままおぱんつを観察して良い。誰も不審がらず、もちろん逮捕もされないから。
お歌大好き。お遊戯大好き。おままごととかお医者さんごっことかも大好きよ。
たぶん体臭もおしっことお日様とキャンディの混じったいい匂い……だといいのだけど、実際に嗅いだことはないのでわからない。オイル臭がする可能性もありうる。
ようじょ、ようじょよーうじょー(某ロート製薬のテーマソングのノリで)。
雌雄に関係なく、見た目はみーんな幼女。ぷにぷにようじょ。見た目はね!
まあ……狂気だね! 正しく頭おかしい!
ある種の性癖者には最後の楽園としか言いようのない、ロリっ子たちの惑星。
嗚呼。どうしてこうなってしまったのか。
以前、私はアベルの節なる願いを聞き届けて私自身を彼女に見せてやった。
というのも。
クリエイトしたゴーレムたちの異常なまでのロリっ子化のきっかけが、天帝を名乗る神、ルミナスグローリーの軍団による侵略にあったためだった。
私に油断があった。
思惑もあって私たちの姿をゴーレムたちに見せず、また、戦闘被害を最小に抑えるために超高高度で彼らを迎え撃ったまでは良かった。ただ、まさかゴーレムたちが私たち――私とマリーの姿を全員で望遠しているとは。私は彼らを甘く見過ぎていた。
私の施策では、彼らに私たちの姿を見せないようにしていたのだった。
なぜなら始まりのゴーレム、アダムとエヴァは私たち造物主とかけ離れた自分たちの姿に絶望し、なんと餓死という名の自殺をしてしまったためだった。
なるほど某キリスト教系の聖書で、神が自分の姿を似せて人間を創ったのはこういう『造物主と被造物の相違リスク』を回避するためでもあったらしい……。
ならば初めから徹底して姿を見せなければどうだろう。
後々分かることに、ゴーレムのアダムとエヴァは転生者だった。
おそらくは人間。もしくは亜人。
ともあれ造物主の姿が見えなければ絶望のしようがない。
元人間であろうと亜人であろうと、現状を受け入れられる体制さえ作ってしまえば自然と生きていく道を選んでくれるはず。生まれてすぐ自殺なんて悲しすぎるし。
それに、世代交代による進化の過程に『私』というベクトルが入ってしまうのは困るのだった。私が見たいのは、彼らゴーレムの進化と改良の過程なのだから。
そう思っていたことも、ありました……。
本題に入ろうね。
ある日のこと。
私がマリーを伴って惑星エメスの空中神殿に降り立ってすぐだった。
「あっ、ますたーだ! ぼくたちのますたーがきてくれたよ!」
「ますたー、ぼくたちとあそんであそんで!」
「ぼく、ますたーとちゅーしたいの!」
「ぼくもしたい! ちゅっちゅしたい!」
「ますたー、ぼく、おちんちんがせつないの……!」
「ますたーだいしゅき! しこしこするときはますたーをおもってするの!」
「あたまなでて、ますたー! ますたーになでなでされたい!」
「……相変わらずの大歓迎ね」
「にゃははっ。男の娘天使にモテモテなのにゃ」
『――神さま、神さま。お願いします……どうか、応答をお願います……!』
「……みゅ? どうしたのにゃ?」
「アベルから?」
「うん、そうみたい。タイミングいいねー」
アベルから何やら切実なコンタクトを受けたのだった。私たちは天使たちの、大量のゴールデンレトリバー歓迎みたいなもみくちゃ状態で、それでも応答に出た。
ちなみに外部スピーカーでみんなに聞こえるようにしている。天使たちはともかく、共同創造主のマリーもいるからね。
「聞こえてるよ。どしたの、アベル?」
『じ、実は、どうしても解決できない問題を抱えていまして……』
「そうなの?」
『はい。できれば神さまのご助言を賜りたく……』
「にゃるほど……あっ、わんわんみたいに一斉ペロペロしちゃうのダメにゃし!」
『えっと……?』
「ちょっと天使たちが甘えん坊すぎて。よしよしするからしばらく待つにゃ」
『アッハイ』
私の天使たちはみんな男の娘だった。おちんちんのついた女の子なのである。
曰く。
ホワイトローブのいかにも天使な少女スタイルで――
下着をつけない習慣からいつもぷるるんおちんちんを満喫できる素敵な子たち。
おっきしても被ってるから可愛いよ(何
そんな甘えん坊天使ちゃんたちを、私はダンマスとしてよしよししてやる。マリーも手伝ってくれる。が、どちらかと言うとみんな私に撫でられたいらしい。
小一時間後。
最後まで私に甘えていたのは、この惑星の始まりの天使、アリエルだった。
この子だけは特別だった。男の娘メスイキ奥義をしてあげるくらいにね。
具体的にはドライオーガズムを誘発させる前立腺を【18禁発言のため検閲済】。
男の娘が一番女の子になれる行為だとだけ言っておこう。ゴールドフィンガー!
……さて、と。
私はマリーとベッドで色々と満足した男の娘天使たちを侍らせつつも。
「待たせたね、アベル」
『――神さま!』
「それでアベルの悩みはなんにゃ?」
『そ、その……匂い、なのです』
「みゅ?」
『ワタクシたちゴーレム人類の体臭と申しましょうか。実のところ、よくわからないのです。知識によると、女の子とは独特の良い香りを身体から漂わせるとか』
「それは半分事実で、半分は童貞の妄想にゃし。現実は非情なのよー」
『そ、そうなのですか?』
「女の子でも生活習慣の悪い子や身だしなみが不器用な子は基本的にクサいー」
『そ、そうなのですか……』
「それでも幼い子が纏う庇護欲誘発性の体臭や、成人女性の性フェロモンがちゃんと機能していれば確かに良い匂いはするね。同性でもいい匂いと感じるよ」
『神さまのお話はとても勉強になります』
「アベルの学ぼうとする姿勢、にゃあたちはもちろん良いことだと認めているよ」
『ありがとうございます。神様のお姿、所作、喋り方。次世代の子どもたちにちゃんと反映できるよう努力を怠っていないつもりです。加えて、始まりのアダムとエヴァのうっすらとした記憶も大変参考になるため、日進月歩で世代改良が進みます』
「うん」
『神さまの肌の質感は、与えていただいた優秀な視覚センサーで綿密に計測し、ほぼ再現出来ていると自己判断します。それは思わず抱きしめたい柔らかな質感です』
「おおー」
『で、ですが……』
「うん」
『匂いだけはわかりません。アダムとエヴァの記憶では幼体臭は好き嫌いが分かれる面はあっても、神さまもおっしゃるように基本的に庇護欲を掻き立てる香りだと』
「ふむ、香りを感じるデバイスはもちろん搭載されてはいるけれど、アベルが求めるリアリティのあるお子さま臭は実際に嗅いだことがないからわからないんだね」
『はい。神さま、御身の匂いを、どうか嗅がせてくださいませ……!』
「にゃー。そうきちゃったかー」
『どうか……どうか……!』
「ちなみににゃあたちは幼体成熟だから一概にお子さま臭に括れないかも」
『被造物は、尊崇する神さまを追い求めるものなのです……!』
「うん、知ってるー」
いやはやアベルの完璧な幼女作成熱はとどまるところを知らないね。
でも、どうしよう。
基本的に創造主と被造物の直接的な接触は避けたいところだけど。
でも、頑張ってる子に水を差すのもね。
「マリー、これ、どうしようー?」
「嗅がせてあげたら? もう戻ってこれなくなるかもだけど」
「いつも思うんだけどにゃあの体臭ってそんなにイイ匂い? 理屈としてはわかっているつもりでも、どーも納得がいかないにゃし。マリーも良い匂いするもん」
「いつまでも、ずっと、嗅いでいたいまるで宝石のような香りよ。特に匂いの集まる部位はペロペロ必須。腋とか、首筋とか、おへそとか、その……お股、とか」
「マリー、セラーナみたいなこと言ってるぅ……」
「それだけ病みつきなのよ。もう絶対に離れたくないんだから」
「にゃー」
理屈の上ではわかっている。私の体臭は言い換えれば純然たる魔力臭でもあった。
曰く、重厚濃密で嗅がずにはいられない至福の香り。
ひとたび嗅いでしまった瞬間、お前も、同じ定めを背負うのだ。
今日も一人、二人、我らが……って聖飢魔IIの歌詞の語り部分のパロはやめよう。
とまれ、それくらい凄いとのこと。私とちゅっちゅする女の子たちはみんな、私の身体の匂いの溜まる部位を嗅ぎながら一心不乱にペロペロしてくるのだった。
まあ、マリーの意見をよく吟味していこう。
「アベル。たぶん色々と問題が起きる可能性があるけど、覚悟はあるのかにゃ?」
『問題が……起きるのですか?』
「うん。にゃあの知る人は、にゃあの体臭フェチになる可能性がとにかく高い。アベルもその一人になっちゃう可能性が大いにありうるのよー」
『フェチに目覚めると七転八倒します?』
「とにかく嗅ぎたくて、ペロペロしたくておかしくなっちゃう人なら沢山いるよ」
『ご、ごくり……そうなった場合、どうやって気を逸らすのでしょう?』
「自慰行為とかー? マリーはどうしてるの?」
「もう……そんなこと聞かないで!」
「お嫁さんに叱られちゃった」
『自慰……? 自らの性器に触れる行為です……よね?』
「そだよ。自慰行為は、実は赤ちゃんもしているごく自然な行為にゃし」
「えっ、カミラ、そうなの? それ本当?」
「そだよ。男の子の赤ちゃんが床に擦りつけたり直接イジったり。女の子の赤ちゃんが股に何か挟んだり直接イジったり。だって本能的にも気持ちいいものだから」
『そ、そうなのですね……赤子もしていると』
「カミラ、ちょっと聞くけど、彼女たちに性器デバイスはつけてあげてるの?」
「設計上、雌雄の判別は『自己認識とボディの若干の形状、出力と動作性』にゃし」
「つまりつけていないのね?」
「うん。その辺りは改良と進化の過程で獲得するもしないもどちらでも良かった」
「確かにゴーレムたちの子どもはアベルの生産設備で造るから直接の必要性は……」
「問題は、今の会話でアベルにパンドラの箱を開けさせてしまった可能性が」
『詳しくお願いします! ぜひ! 神さま、切に! ワタクシ自慰がしたいです!』
「……案の定、開けちゃったよパンドラの箱を! ま、マリー、たしゅけて!」
「カミラが助けを求めるなんて珍しいわ。良い機会だからデバイスつけちゃえば?」
「神経系制御に少し手を加えたら簡単にできるけど、そもそもこの世界の報酬系はソーマデバイスがあるから、競合すると社会に悪影響が出るかもしれにゃい」
「ああ……ちゃんとそこまで考えてるんだ……」
「だってにゃあたちの大事な被造物だし、アベルが頑張って構築した社会形態だし」
『その、ひとまずはワタクシだけが実践してみる形ではどうでしょうか!?』
「みゅー。アベルってセックスの仕方知ってるよね」
『知識だけは! 男と女がぎゅいーんです!』
「その行為を、妄想込みで一人でしちゃうコトを自慰というのよ」
『なるほど!』
「でもお前たちゴーレムには雄型と雌型があるけど、性器はついてないから。……お前の子たちの身体はどうなってるの? アラレちゃんみたいに全面ツルツル?」
『アラレちゃんはわかりませんが、少なくとも性を区分する性器などはまだ……』
「ところでアベルはどう思っているかにゃ? 性別に関して、肉体と精神とは何か」
『……精神は肉体の玩具です。ただしワタクシの場合、初めから男の娘としてデザインされていますので、心は女の子でも男の子でも問題ありません。うふふ』
「フレキシブルな考え方にゃし。ダーウィンが言ったよ。強き者でも賢き者でもなく、環境に順応できる者が生存競争に打ち勝ち、そして繁栄するって」
『そうなんですね!』
「アベル、にゃあの中でお前の評価がまた一段と高まったのよ」
『ありがとうございます、神さま!』
「……ふーむ、となればアベルが培う社会の更なる円熟のための布石として、性の独り遊び知識と実践的状況をお前のために整えてやった方がいいかにゃー?」
『はい! どうか、その知識と性器デバイスをワタクシめにお与えください!』
「んー。結構デリケートな問題だし、どうしよっかなー」
『ワタクシの自慰行為を動画に撮って、逐次報告もさせていただきます!』
「いやそんな羞恥プレイはいらないから。お一人様で愉しむのが正しい作法だから」
『はい!』
なんだか幼女の体臭(私の体臭をクンカクンカしたい)話からゴーレムに性器デバイスをつける話にぶっ飛んじゃったけど、はて、どうしたものか。
……しようがない。試しにアベルにつけてあげよっか。その場合は、うーん。
「アベル。お前は当初、男の娘として創られたにゃ」
『はい』
「どっちを着けたい? オトコノコ? オンナノコ? ちなみにお尻の穴はどっちを選んでもつくからね。イジるとキモチ良くなれるようにしてあげるー」
『ワタクシ、男の娘として言わせてもらいます。……ズバリ、両方です!』
「んみゅ。じゃあ開発するからしばらく待つにゃ。プログラミングと神経配列の構成で1週間くらい見てほしい。お前の外部端末に搭載して出力調整もするからね」
『ありがとうございます!』
匂いの前に性器デバイスの実装、か。
ふーむ……。
よし、おっぱいもつけてあげよう。おっぱいは全人類の希望&正義だからね。
【お願い】
作者のモチベは星の数で決まります。
可能でしたら是非、星を置いて行ってくださればと。
どうぞよろしくお願いします。
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