第214話 この世界の社会の成り立ちは、私によって壊されていた。
私が眷族化を前提にしてレミリア―ドの首筋に咬みつき吸血した直後、彼女の身体に劇的な変化が訪れた。まず、胸を袈裟懸けに抉る傷がみるみる修復されていく。
治る、ではない。修復なのだ。これはそういうものなのだった。
生態的な現象ではない。むしろ呪いに近い身体の変容。
吸血鬼化。もとい、私こと、カミラ・マザーハーロット・スレイミーザの
「ふう。処女の血はやっぱりコクが深くて美味しいわぁ……♪」
独りごちる。レミリアードは吸血鬼化の反動で気絶してしまっていた。負った傷で死ぬギリギリでの転化。私によって『殺されて』吸血鬼化したのだから。
……可愛いわね。スレンダーボディ。短髪で男の子みたいになってはいれど、整った顔立ちが際立つ。長いまつ毛。形の良い唇。私の新たな血脈の子。
ちょっとだけ、つまみ食いしちゃおうかな? いや、やめておくか。
冷静になれ、私。よし、おっぱいを揉もう。もちろんレミリアードのおっぱいを。
血を吸って、エナドリ呑んだみたいにテンションを上げるな、私。
大体、体液交換をしたら淫魔特性まで伝播させてしまうし元祖化もしかねない。
昔の私なら大丈夫だったけど、今はもう違う。
完全なる太祖の吸血鬼にして、真空、または混沌の顕現体。
淫魔特性を得てしまうのはしようがないとして、私の力の余波で元祖の吸血鬼化してしまうのはマリーだけでいい。違う。マリー以外必要ないと言うべきか。
あと、ね。
マリーとのキスも大好きだけど、お股をぺ(18禁発言にて検閲削除)もっと好き。可愛い声を上げて淫らに身を捩(18禁発言にて検閲削除)最高なのである。
余計にムラムラしてきちゃったわ。どうせ私のモノだし、たべちゃ……いやいや。
レミリアードの起伏の小さなおっぱいをモミモミしながら苦悶する。
別なことを考えよう。怒りの感情は9秒間違うことを考えたら落ち着くらしいし、エロいことも9秒間違うことを考えたらあるいは我慢できるかもしれないし。
……吸血鬼化は生きている間にしか執り行なえない。
死亡してからたとえ眷属化吸血をしても、
食人屍鬼。読んでの通り、人を喰う怪物である。
確かに我々吸血鬼は人の血をすする。これも食人の一形態ではあるが――
血は、吸った後、人は骨髄から再び血を生産できるのである。
しかも吸われる当人が眷族化を求めない限り、私は吸血鬼化させることはない。
一方、食人屍鬼という卑しい畜生は。
食う。人を、食う。強烈な飢餓感と共に。
人の肉体は失われればそれまで。部分的欠損でも元通りになるとは限らない。
元に再生するにしても高度な医療処置が必要になってくる。
そして、屍鬼とは動く死体である。雑菌たっぷり、危ないウイルスもたっぷり。
咬まれて処置を怠れば重い病気になるだろう。むしろ食人屍鬼化する場合も。
さて、熱く語ったところで。ふう、だいぶ落ち着いた。
危なかったんだよ。レミリアードはあと数秒遅れたら死亡して、たとえ眷族化吸血をしても食人屍鬼にしかならないのっぴきならないギリギリの状況だった。
間に合って、良かった――のかどうかは、吸血鬼化を願った当人次第だけどね。
まあ、新しい私の子が一人、加わったということで。
眷族化とは――何度も触れたように、咬んだ相手を血脈上のわが子にする行為。
すでに私はミーナちゃんや男の娘アルカードちゃん、いつぞやの異世界では5人のイケメンたちとトリュファイナ嬢を血脈上の『わが子』としているわけで。
そして、子は、親に従うものだった。
今日、新たに一人、眷族ができた。伯爵級吸血鬼、レミリアード。
なんでも彼女の話では、辺境伯の令嬢『だった』らしい。
過去形で話すのは、以前語った通り、彼女は母親から一族を破門されたから。
伯爵家の娘なら伯爵級の吸血鬼でちょうど良いよね。レベルは10万程度だけど。
そういえば、ちょっと話を変えて。後日手に入れる情報を先に出しちゃおう。
召喚された世界は、私の知る世界とはかなり違う社会形態を持っていたのだ。
女権社会。
または、貞操観念逆転世界。
いや、なんで? どうして女権社会が成り立つのか私には不思議でならなかった。
はっきり言ってやろう。女権社会を成り立たせるのは、まず不可能だと。
いや、トップに女王が立つとか、その程度の誤魔化しならできるだろう。
でもそうじゃない。
社会を回していくには、単純に男の力が大量に必要だからだった。
分かりやすい例えを上げると、建築建設系とか金属生産系とか、鉱山系とか。
要するに力仕事ね。
当たり前だけど、あの系統は女性には非常につらい職場となる。
どちらも超絶に重労働だから。男と女では身体の作りそのものが違うのだ。
そして力の違いは、支配力の違いでもある。
単純に強さとは正義と私は以前から明言している。力なき正義は無意味とも。
無理なのだ。弱き者、汝の名は女。
わかるでしょ、弱いヤツに従う人などいないと。結局は力こそ正義だと。
などとグルグル思考を巡らせていると。
なんとこの世界。確かに筋肉的には男性の方が力は強いが――
代わりに女性は魔力の質と精度が、最低でも男性の二倍は大きいのだそう。
足りない体力と筋力は、魔力で補えばいい。
後で知れる話、魔力発生器官と染色体が関係しているのだ。XX、XYのことね。
むしろ魔力で身体のすべてを強化できるわけで。上手くやれば10倍近くまで。
この時点で男性の利点がほぼ帳消しに。
しかもこの世界、男率が低いらしい。比率では『男:女=1:4』くらい。
繰り返す。この世界は、女性比率のほうが男性比率より、4倍多いのだった。
さらにさらに。
この世界、スキル制度がありまして。
私の住む世界にもスキルやら権能やらはもちろんあるのだけど。
レミリア―ドの住む世界――
第CB250RR-789667世界。惑星DDDDRRUUUMETHIAAAAATTHHHH。
人の口では発音できないだろうなので、端的に。
惑星『ドルメシアス』
そう、私が以前無礼召喚を受けて、そこの女神を食い殺したあの惑星だった。
誰かが――たぶんルミナスグローリーが弄ったのだろう、その一万年後の惑星。
まあそれはいいとして、この世界。
子どもが7歳になるとスキルを女神より与えられ、そしてジョブも付与される。
……なのだけれども。
なぜか男性よりも女性の方が戦闘系スキルを得やすくなっていた。
どうしてこんな偏った事態になっているのか。
その原因は……もうお気づきでしょう。私にあったのだ……。
あの無礼召喚をした女神。あれはあれで、実は誠実に神として働いていたらしい。
私はこの世界を鑑定する。厳密には神を探していた。
そして見つけた。
女神『RRRRRRTTTTHHRRRRRJJJJJJJJJEEEEEAAAAAAAAATTTTTHHH』
また人には発音できない名前だった。
端的に『リスリジェアス』と呼ぶとしよう。
彼女は『女神ドルメシアス』の後任、天帝ルミナスグローリーの命により派遣されてきた女神だった。……今は
重要なのは、この惑星の人々に崇拝される『女神ドルメシアス』が実は殺されていて『女神リスリジェアス』が後任として入ったなどとは――
地上の神殿にはもちろん、星のあらゆる生きとし生けるものに知られるわけにはいかず……だって人々が恐慌状態になるから。この星の最高神が死んだとかね。
なので新任女神は『ドルメシアス』を演じねばならなくて。
でもさ。
これって凄いストレスだよね。
神への信仰心が歪んで届けられてしまうもの。
やる気なんて出るはずもなし。
なので『女神リスリジェアス』はこの惑星の法則を少し捻じ曲げた。
ちなみに戦闘系スキル取得の男女差も、この女神の影響によるものだった。
当初、この惑星の人々の脳には魔力器官が備わっていた。
が、この女神。脳にあった魔力器官を人の染色体『X』に変更してしまった。
この惑星の男女も染色体は男はXY、女はXX。つまりどういうことかというと。
先ほど触れたように――
魔力の質と精度が男女間で、最低でも二倍の開きを見るようになり。
魔力は全身で練るもの。この世界の女性は初めから呼吸するように魔力を練れる。
元々から二倍の質と精度があり、それを全身で練るとなると倍率はどうなるか。
何度も言うように、男女の力の開きが圧倒的に出てしまう。
『女神リスリジェアス』は更に加えて男女の出生率をコントロールした。
女性比率が男性より4倍多いのは既に語った通り。
ならば、男に、男そのものに、希少性が出てしまうわけだった……。
つまり、もう分かるよね。
女は男を家に置いて外に出さず――だって、大事な男を攫われたらコトだし。そして男に家事一般をさせるようになり、女は外に出て働くようになり。
だんだん、心が女性化していく男たち。身体つきもナヨっとしてくる。ちんちんも小さくなってくる。ちょっと気合の抜けたオカマちゃんみたいになってくる。
逆に、だんだん、心が男性化していく女たち。身体つきは女性でも魔力で強い。というか中身がオッサンだから野卑で汚くて、小便など立っていたす場合もある。
こんなのが一万年ほど続いたら。
世代交代の激しい人間など女権社会が当たり前になる。
なるほど、女権社会が形成されてしかも違和感なく維持できるわけだ。
強いもん、女が、男より。
面白いなぁ。逆レがスタンダードとか。あっ、またムラムラしてきた。
未だ気絶しているレミリア―ドを見る。可愛い私の血族。新しい娘。
性的にバッチコイしたいよう。貝(18禁発言検閲により削除)とかさー。
どうしよう、ちょっと〇ナって気を逸らすしかないかしら……。
【お願い】
作者のモチベは星の数で決まります。
可能でしたら是非、星を置いて行ってくださればと。
どうぞよろしくお願いします。
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