第74話 魔神ファーハと囚われのマリー

※後半、変形型バブ美展開に注意。作者も想定外の流れにビビってます。



 ◆◇◇◆◇◇◆



 学院を目茶苦茶に繋いだ異形のダンジョン探索の末。

 結論の一つを御開帳。


 マリーは、魔神マオウ・ザ・ハクションの愛娘になっていた。


 何を言っているのかわからないだろうし、私自身も何がなんだか分からない。


 なので、はあ……。

 これってどうしたらいいのだろう。


 説得(物理)。

 説得(想像魔法)。

 説得(亜神気奇跡)。


 わりと力づくしか思いつかない件、いかがお過ごしなりや……。


 殴るか、魔法ぶっぱするか、亜神気でティラクルラミカルと奇跡を唱えるか。


 ちょっと総身の血の巡りが悪いみたい。誰か血を飲ませてくれないかな。


 童貞男子の血を希望。この際、処女の血でもいいや。


 ……うーん、とある天才曰く、

 10秒考えても思いつかない解決策はしばらく放置せよ、とのこと。


 なので。


 ひとまず放置してしまおう。なんくるないさーのケセラセラー。



 ◆◇◇◆◇◇◆



 私たちは探索の末、ついにダンジョン最奥の地と思われる場所までやって来た。


 まるで前世の古代中東と古代エジプトを足して二で割ったオリエントな雰囲気。


 総石構え。鷹なのか隼なのか、半端に擬人化した変な顔を掘り込んだ柱群。

 壁にはびっしりと浮き彫り細工。芸術性が高いなあ。壁を丸ごと持って帰りたい。

 パパ氏が娘のトンデモ行動に困り顔になりそうなので何もしないけど。


 魔神は魔神でファラオとスルタンを足して二で割ったような恰好をしている。

 ちなみに、ファラオもスルタンも『王』を意味する。呼び名の違いは地域の違い。


 具体的には頭はターバン。ただし異様に大きなオーバルカットサファイアがターバンの中央にキラリと輝いている。500カラット……いや、もっとあるかも。


 頭が中東なら胴体はというと、古代エジプトのファラオっぽい上半身裸によだれかけ染みた貴金属製の肩当てが。下は紫の生地に金糸の装飾を入れたボトム。


 足元は先がくるりと上巻いたハクション大魔王式(ド直球)ブーツを履いている。


 まあ、不完全に顕現したのは確かなのようで、実体が半分ガス状になっているが。


 黄金の台座に、深紅の絨毯っぽい敷物。その上に呆れるほどゴテゴテした宝石装飾の玉座が。これも当然黄金仕様。ただし強度の関係でたぶん15金くらいかな。


 宮殿の隅には固まって震えているパジャマ姿の少女と、教師陣が。



「ふむふむー。あなたが、ここのダンマスでもある魔神様ねぇ?」


「んむ? その方は……ま、またえらく強いのう。吾輩より強くてヤバい。しかもおっぱいデカい。うちの嫁さんよりデカい。ああ、今のは聞かなかったことに」



 神様、それ、私に対するセクハラかも。ちなみに英知カップよ。Hだけに。



「私の名前はカミラ・ノスフェラトゥ。魔族の天使プリティカミラでもいいけど」


「カミラ!? わたしの知るカミラはそんなに大きくないし、胸もペタンコよ!」

「マリー。これは大人モードなのよ。人類換算で15歳の姿がこれ。パパの血を強く引いているからか、遺伝子はママよりもパパの因子を優先させたみたい」


「閣下もボインなの? そうなの? えっ、閣下も女性だった?」

「そうじゃなくて……遺伝因子ね。パパがママになったらボインかもね」


「カミラ」

「うん」


「後でちょっと揉ませて」

「ええ、いいわよぉ」



 いや、何の話よ。


 隣のサンズが (´A` )って、骨なのになんとも言えない表情になってるわ。



「……それで、魔神マオウ・ザ・ハクション様」

「んむ」

「不完全な魔術召喚による顕現ではなく、ある程度整ったお姿になりませんか?」

「吾輩、なにも困っておらぬが」

「魔神様は現在、主に記憶や認識が少々おかしくなっています」

「そうなのかのう?」

「あなた様の膝にいる少女は、どなたですか?」

「我が娘、ファーハよ」

「では本当の魔神ファーハ様をお目にかけましょう。魔法ではなくあえて魔術的に」

「へ? いやここにいるし」



 わたしは亜神気を使って呼び寄せを使った。アポーツである。

 何を呼び寄せたか。

 魔神を降臨させるくだんの魔法書だった。あと、ペンと机と椅子。


 ちなみに問題の魔法書はそれほど古くなく、たった5000年程度だった。

 もちろん普通に考えればインクは掠れ、羊皮紙・パピルスを含むどんな用紙でもボロボロになろうもの。ある種の保存魔法がかけられているのは言うまでもなく、それを思えば50万年前の魔法書などは奇跡水準の保存魔法がかかっているとわかる。


 ざっと斜めに読む。なるほど。これは召喚ではなく、神の御降臨を願う類なのか。


 なのでそのようにする。


『BIG TIME CHANGES』


『神降臨魔術(対象、マオウ・ザ・ハクション)』をダウングレードさせ、取捨選択バランスを取り、礼を失しないように神が神たる一定の体裁を調整する。



「おいでませ、マオウ・ザ・ハクション様の娘御ファーハ様!」



 この世界の一般的な魔法はさっぱりわからないが、自前の想像魔法で調整した魔術なら術式は手に取るようにわかる。当たり前っちゃ当たり前よね。


 ぼわんっ、と手品ショーみたいな演出ドライアイスっぽいスモークが焚かれた。

 もくもくと流れるスモークが晴れて。



「ねむーい」



 少女がひと言。ふぁーは、とあくびをする。むにむに、とむずがる。


 ふむ、と私は思う。髪の色はブラウン。ターバンを巻いて、中央部にルビーが。

 白地半袖に赤のチョッキ。ほのかな膨らみの胸。可愛い。さすさすしたい。

 ボトムも赤系統。足元は父親と同じく先っぽがくるりと巻いたヘンテコブーツ。


 そして、何より。



「顔立ちがマリーに滅茶苦茶似てるわぁ」

「えっ。でもわたし、かの方のように眠そうな表情してないわ」


「眠そうな顔は今のわたしよねぇ。だけどマリーがおネムさんになったときの表情が」


「……そうなの?」

「うん。マリーのおネム顔、可愛いよ」


「……ファーハ? えっ、えっ、なぜゆえファーハがもう一人?」

「魔神様も正しく御降臨し直しませんかぁ?」

「えっ、あ、うむ。では一度、展開した壺を戻すとしよう。娘を預かっていてくれ」

「はぁい」



 さすがに自身の異常を理解したらしい魔神マオウ・ザ・ハクションはマリーをふわり浮遊させて私にその身柄を寄越してきた。スッと私はお姫様抱っこで受け取る。



「お帰り、マリー。大丈夫だった?」

「う、うん。ありがとうカミラ」

「おっぱい揉む?」

「……うん」



 いやそれどころではないだろうという突っ込み、受付中。


 とまれ、ボンテージ風ドレスの上から、強調露出した胸上部分をさわさわモミモミし始めるマリー。男の子も女の子も、小さい子はおっぱい好きよね。私も好きよ。


 その間に魔神マオウ・ザ・ハクションはその名の通りのくしゃみをした。

 鼻の穴に大きな紙縒りを突きさして。


 するとどうだろう。展開されていた宮殿がスルスルと引いていくではないか。


 そうして――


 後に残ったのが、腰太のとっくりを拡大したみたいな形の青い壺だった。



「あのねー、本来はアタシたちが降臨するときは、壺がまず現れるのよ」

「そうなんですねぇ、魔神ファーハ様」

「ファーハでいいよー。眠いけど」

「わたしのおっぱいモミモミしてみます?」

「……うん」



 だから、それどころではないだろう――という突っ込み、今も受付中。


 さて、魔神さまを改めて御降臨を願いましょう。



「あ、ちょ。ふたりともドレスを剥いちゃダメ。胸が完全露出しちゃうからー」


「おっきいね。柔らかくて気持ちいいね」

「おっきいわ。それでいて張りがあって気持ちいい」


「乳首が綺麗なピンク色で凄く可愛い。しかも良い匂い。女の子の匂い」

「思わず口に含みたくなる。これ、絶対に誘っているわ。それ以外考えられない」


「うん、わかる」

「わかり味が深いですよね」


「ダメだからね、お触りまでよ。赤ちゃんみたいに吸うのはダメったら……」


「……ところであなた、髪の色以外でアタシによく似てるわね」

「光栄です。ファーハ様」


「他人とは思えない」

「人として礼を失するかもですが、私も同じように思いました」


「ねえねえ。やっぱり乳首、吸っちゃう?」

「吸いたいです。せっかくなので一緒に吸いますか」


「だから、ダメだってば」


「うん、そうしよう」

「はい、では……」


「聞いてない!? ダメよ!? ダメったら!! あっ、あっ、にゃあーっ!?」



 十歳女児二人(片方は魔神なので見た目が、だが)に、私はドレスの胸部分をはだけられていた。あくまでボンテージ風ドレスなので、胸部分は別にレザーでぴっちりというわけではない。大きな胸を強調する分、保持はすれど御開帳は簡単なわけで。


 女児二人、ぺろりと生地を剥かれて露出する胸に顔をやり、乳首を吸う。



「「ちゅー、ちゅー、ちゅー」」


「まってまって、わたしの胸はお乳出ないからっ。それにほら、皆見てるし! マリー、ほら、クラスメイトも見てるし。先生方も見てるし!」



 ちゅーちゅーが止まらない。


 遠くの方で、たぶん女生徒たちだと思うけれども、わたしも吸いたいって聞こえたのは気のせいだろうか。これが教師陣なら大問題である。


 しかもこの二人、舌遣いが上手い。舌で乳首をクルリと包み、その上で唇で優しく吸ってくる。敏感なスポットを的確に押さえてくる。心の淵から溢れ出る母性。


 ああもう、大きな娘が二人出来た気持ち。変形型バブ美というサムシング。

 これが、母性? ママになった気分。無性に愛おしさが。


 仕方ないな、この子たち。


 私は体勢を二人を抱き寄せる形に変えて受け入れることにした。いい子いい子。



『――どうしたであるか? 待っているゆえ早く吾輩を呼ぶのである』

『魔神様の娘御様が、わたしの胸をちゅうちゅう吸っていてそれどころでは』

『なぬっ、吾輩も吸いたいぞ!!!」

『ダメですっ』

『Σ( ̄ロ ̄lll)ガーン』



 いや、ガーンじゃなくて。普通にダメでしょ。

 そういうのは奥さんにしてあげて。愛を語らいつつね。喜ぶから。


 私は悟りの境地で、二人の大きな赤ちゃんに自らのおっぱいを吸わせるに任せた。




【お願い】

 作者のモチベは星の数で決まります。

 可能でしたら是非、星を置いて行ってくださればと。

 どうぞよろしくお願いします。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る