大河ドラマ「徳川慶喜」感想(6)

第39話「将軍急死」

大久保「一橋など天誅を加えれば良いのじゃ!」

ひどいこと言わないで><。。

岩倉の「武家はしょせん自分の藩のことしか考えられん!」という武家論は面白い。

岩倉具視を強気で精悍(なかなかのイケメン)なキャラに描いたドラマはこの作品ぐらいだろうな…


桂「あなたが信じると言って下されば、長州も薩摩を信じましょう」

西郷「……」

薩長同盟締結の描写が実に粋。

信長キングオブジパングの桶狭間直前の「敦盛」といい、田向先生の脚本は、語られつくして陳腐になった歴史上のシーンを軽々と上書きしてくれる。


第40話「徳川家相続」

ことここに至るとおよしと慶喜のラブラブシーンも物悲しい。

無理に明るくしてお互いそれをわかっている感ありありで。


原市之進が名前のあるキャラとして登場する大河はおそらくこれと青天を衝けぐらいだろうけど、大政奉還に関する慶喜とのやりとりは史書が伝えるとおりだが、人物の背景を水戸出身という以外全く描いていないからただのかっこいいイケメンでしかないのが残念。


慶喜「徳川宗家相続も将軍就任もやです」

板倉「そこをなんとか><。」

慶喜「じゃあ宗家相続だけね」

板倉「ありがとう><。。。」

やり手デイトレーダー顔負けの手腕で自分の値打ちを吊り上げる慶喜。

みんなが勝手なことをしてるんだから慶喜だけが批判されるいわれはないし、こうやって自分の地位を保障しておかないと将軍就任した後の幕府経営にも差しさわりがあるしね。


慶喜「千騎が一騎になるまでも戦い、山口城を落とすのじゃ!」

老中一同「オー!」

どこでもドアで山口県から大阪府まで瞬間移動してくる鎧姿の小笠原長行が小倉口崩壊を報告。

慶喜「長州征伐はやめじゃ」

一同「」

このコンボ声を出して笑った。


実際は報告から決断まで数日おいていたりして色々違う。

小笠原もいくらなんでも鎧は着替えるでしょ…まあそれはドラマだから。


第41話「将軍慶喜」

勝「上さまは坂本龍馬というものを御存じでしょうか」

慶喜「いや、知らぬ」

本作における坂本の出番これで終了\(^ o^)/

(と、思ったら大政奉還後にも一度だけ登場)

別にアイツがいなくても幕末政局書けるじゃんよ!という脚本家の意地張にも見える。


相変わらずナレ死以下の大久保一蔵暗躍シーンの全削除。

とはいえ、幕府が追い詰められ崩壊していく過程を内部からじっくり書いた大河はこれぐらいではないだろうか。

そしてだからこそ、征長に参戦するべく大坂に屯集した旗本どものだらけまくったクズっぷりを描かなかったのは残念。

あれを描かないと「ああ、幕府はもう終わるべきだ……」と思えず大政奉還にも説得力が出ないので。


慶喜「改税約書といいながら税に関する以外の取り決めがされておる! 関税の引き下げはまだいいとして、軍艦以外なら誰でも船を購入可能とは何事だ! 大砲を外して軍艦ではないと言い張ればよいではないか!」

現今(2022年)の世界情勢があるから余計に響くなこの下り……

それにしても、慶喜が将軍としての具体的な政務をちゃんと果たしている描写をした大河はこれくらいじゃないかな。


本当なら第1話が「将軍急死」でもいいぐらいなんだよなあ。

慶喜や原の画策、朝廷幕閣諸侯の思惑、薩摩の暗躍をみっちり描いて、第5話ぐらいでようやく「将軍慶喜」。

その後も兵庫開港勅許などの政治闘争、薩土盟約やらなにやらをこれもみっちりという私接待大河……50話あっても無血開城までいかないかもしれんけど…

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