若の家族

朝起きたら、みっくんの腕の中にスッポリ包まれていた。


俺の世界をかえくれるのは、さんやって思った。


髪を撫でながら、スマホを見た。


きゅうからのLimeが入っていた。


9時か…。


「ゆっくん、おはよう」


「みっくん、おはよう」


俺から、三にれなかったら三は、れないと、言ってた。


俺は、手を握る。


「朝ごはん、作るよ」


「うん」


俺は、三に朝御飯を作った。


「いただきます。」

 

「ゆっくんの朝御飯は、美味しいな」


「ありがとう」


三は、美味しそうにご飯を食べてくれた。


「これ、うちの鍵渡しとくな」


「今日もくんで、毎日くんで。ゆっくんが、嫌ってゆうてもくんで。」


「来てええよ」


俺は、三の頭を撫でる。


「でも、今日は九のところに行くから遅いかもしれんけど待っててくれる?」


「うん、ええよ。行ってくるね」


「うん、行ってらっしゃい」


俺は、三を抱き締めた。


出勤して、仕事が意外に早く終わった俺は、九に連絡した。


若の家族に、久しぶりに会った。


やっぱり、若の家は暖かいな。


俺は、紙袋に入ってる手紙を呼んで涙が流れた。


あの人にとって、やっぱり俺は、邪魔なお荷物でしかなかったんやな。


そう思ってたのに…。


「そんなに優しくされたら、俺、甘えてまいます」


「ええやん。ええやん。もう一人息子できて嬉しいわ」


若のお母さんは、俺のお母さんになってくれた。


若のお父さんは、俺のお父さんになってくれた。


九は、俺の弟になってくれた。


ごめんな、若。


俺、若の家族奪ってしまってごめんな。


「さあー。ご飯食べよか」


「はい」


若のお母さんは、赤飯を持ってきた。


「ゆっくんが、うちの家族になったお祝いやで」


「いっぱい食べや」


「はい」


母を亡くしてから、ずっと羨ましかった若の家族。


俺の家族になってくれる日が、くるなんて思わなくてずっと泣いていた。


お母さんが、俺を若のお母さんに話してくれてるって知らんかった。


泣きすぎて、ご飯の味もお酒の味も全部しょっぱく感じていた。


「ゆう兄ちゃん、泣きすぎやで」


「九、ごめん」


「かまへんやん。嬉しいときは泣き」


「ごめんなさい」


「謝ってばっかりやな。ゆっくり家族になろな」


「はい」


俺の言葉に、若の家族はみんな笑ってくれた。


「ゆっくん、近いうち休みとってくれるか?養子の手続きしに行こうか、一緒に」


「はい」


「後、あの人の振り込み先教えて。1000万、振り込んできたるから」


「はい」


俺は、ご飯を食べ終わってあの人の口座を書いて渡した。


若に買ってきたケーキをお供えして、みんなで食べた。


「九もこっちに帰ってきてるから、週一でご飯食べよか。ゆっくん」


若のお父さんは、笑って言ってくれた。


「もちろんです」


「ほんなら、また来週おいでね」


「はい」


「お母さんとの話も聞かせたるからな」


「はい」


若のお母さんは、俺の頭をよしよしと撫でてくれた。


「気ぃつけてな。ゆう兄ちゃん」


「うん、またな」


「うん」


若の家族に手をふられて俺は、家に帰ってきた。


「ただいま」


「おかえり」


俺は、また泣いていた。


「ゆっくん、目赤いで何かあったん?」


俺は、三にさっきの出来事を全部話した。


「九の家族っぽいなー。愛情いっぱいの家族やもんなー。よかったやん、ゆっくん。よしよし」


三は、頭を撫でてくれた。


「みっくん、俺、幸せすぎて死んでもいい」


「アホか、死んでどーすんねんな。今から、幸せになるんやから。なあ?ゆっくん」


「ギュッて抱き締めてくれへん?」


「ええよ」


三は、俺を抱き締めてくれる。


「ゆっくんの神様はたつくんやったな。」


そう言って、三が俺の顔を覗き込んで笑った。


「ホンマやな。家族もみっくんも俺にくれた。俺もう、若に心配かけんって約束する。」


「せやな。ちゃんと約束しなアカンで」


「こんな幸せな日々が、訪れるってしらんかった。」


「生きてたらくるんやで。ゆっくんが、みんなの幸せを願ったから返ってきたんやで。」


「若もおったらよかったな。」


「おるよ。見えんだけでおる。いつだって、おる」


三は、そう言って俺をまた抱き締めてくれた。



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