手紙と三
俺は、またランダムに手紙をひく。
「何がでるかな?って、保育所で流行ってなかった?若。それを狙ったんやろ?」
俺は、手紙をひく。
【竹へ】
家族以上に愛してる存在がいるとしたら、それは
カウントダウンで言ったら、後ライフは5ってとこでしょうか?
今日、延命の話をされました。断りました。
【若】
また、手紙を取り出した。
【竹へ】
俺のライフは、残り2ですね。
ゲームなら、リセットで生き返れますか?
ここ最近、竹に死にたくないLimeを繰り返しています。
ごめんな、竹。
家族やと思ってるから、竹には何でも言える。
家族に死にたないって言ったら、心配するから言えません。
竹、俺ね。三が知らん人と一緒になるん嫌やねん。
だから、竹が付き合ってくれへん?
そしたら、絶対八は九にひかれる。
竹、一生のお願い使っていい?
一生のお願いやから、三と付き合って下さい。 【若】
まさか、俺にまで、一生のお願いを使ってくるとはな…。
涙が、頬をつたう。
Limeのグループ通話が鳴った日を思い出した。
タタタタタタタ
『はい』
『元気か?』
『おー。若。体調よさそやな』
『あのさ、九に芽衣子の日記を持っていかしたいんやけど?』
『誰に、持ってくん?』
『
『桜並木の桜子さん使えるかもな』
『きざ、何それ?』
『いやー。中学で噂になってんねんけど。聞く限り、美やねん』
『ホンマか、じゃあそれで』
年明けそうそうのグループ通話、きざと俺にかかってきた。
八に九を会わすのは計画どおりやった。
まあ、好きになるかはかけやったけど…。
ピンポーン
俺は、手紙を机に置いた。
ガチャ…
「はい」
「ただいま。」
三は、俺に抱きついた。
「おかえり、いらっしゃいやな」
「おかえりでいいやん。お昼食べよ」
「何か作るわ」
「料理できるん?」
「当たり前やん」
俺は、リビングに三を連れてく。
「何、この段ボール」
「あー。かたすわ」
読んだ、手紙を輪ゴムに挟んで段ボールに戻す。
「これ全部、たつくんからの手紙なん?」
「ああ、懺悔やったりお願いやったり助けてやったりイロイロやな」
「死刑囚みたいやったんかな」
「えっ?」
「映画とかで、よう手紙書いてるシーンあるやん」
「そやな。余命つけられてるって、そうなんかもな。死刑囚の人も、1日、1日って数えてるって何かの映画でみたな」
「苦しかったんよな。すごく」
「俺が、かわったりたかったな。俺には、若みたいに大切にする人も大切にされる相手もおらんから」
「なんで、そんなんゆうん?」
三は、手紙をしまう俺の手を掴んだ。
「ホンマの話やから」
俺は、手紙をいれて段ボールをテレビ台の横に置いた。
「竹君の事、俺ちゃんと知りたい。」
「三、くっつかれてたらご飯できんから」
三は、後ろから俺を抱き締めてくる。
「ちゃんと教えてや。親は、いるやろ?」
「いるよ。親って呼ぶんかはしらん存在が」
「聞かせてや、俺に…。ちゃんと話してや」
俺を、抱き締めてる三の手を掴んだ。
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